研究課題/領域番号 |
20K15753
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
Lee Seohyun 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任助教 (00847973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 細胞内物質輸送 / 小胞 / イメージ処理 / 小胞運動 / 3次元マイクロスコピー / 3次元マイクロスコピー / イメージプロセシング / コンピュータービジョン / データ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
小胞による物質輸送は細胞内情報伝達の基本単位として知られており、抗がん剤や抗ウイルス剤などの薬物開発に関わる核心的な生命現象である。ナノスケールである小胞の3次元運動を理解するためには、細胞イメージから画像処理で得られた座標データを高精度で取得することが必須的である。本研究では、コンピュータービジョン基盤のイメージプロセッシン グ技術を多焦点イメージングによる細胞内小胞の3次元位置計測に導入させ、小胞の物質輸 送様式を高精度で追跡可能とするイメージデータ解析分野においての革新を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、生きている細胞内小胞の3次元軌跡をナノスケールでデータを取得し、高精度でその運動を解明することを目標とした。従来の研究では、高度化されたイメージング技術により細胞と細胞内部の器官の位置は正確に撮影できるが、そのイメージデータから実際位置を計算する段階で誤差が発生する問題があった。 本研究で提案したイメージ処理アルゴリズムにより、特に3次元の座標を計算するための二重焦点光学系から得た二つのイメージに線形座標変換を適用することでイメージマッピングの正確度をナノスケールで達成することができた。また、このようなイメージ処理及び最終的な3次元座標計算を一度にできるソフトウェアも開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞をはじめとする病気の原因となる細胞を外部の薬剤を利用して制御するためには、細胞内で行われる情報伝達パターンに関する知識が最も重要である。本研究では、細胞内での情報伝達を担当する小胞の運動を解析するため、小胞の3次元軌跡を高精度で得られるアルゴリズムを提案した。そのアルゴリズムによって実験者のマニュアルな操作による測定及び計算の誤差を最小限に抑え、簡単な操作でナノスケール精度の3次元座標データが得られる。したがって、本研究は薬剤開発や関連研究の基礎となる意義を持ち、細胞内での情報の伝達に関するあらゆる研究に貢献できると期待される。
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