研究課題/領域番号 |
20K15773
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小井土 大 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40787561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ディープラーニング / 機械学習 / 遺伝子発現制御 / エピスタシス / ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝因子の組合せ効果(エピスタシス効果)の同定は遺伝統計学が古くより探求してきた問いであるが、古典的統計学の手法では多重検定と計算量の問題に直面する。本研究では、疾患感受性多型の発現制御領域への集積に着目し、(1)臓器・細胞別の転写制御に対するエピスタシス効果を高精度・網羅的に得て、(2)それらと多因子疾患との関連を日欧バイオバンクの遺伝統計解析から検証する。特に(1)を達成するためのツールとして、臓器・細胞種別の発現制御モチーフ配列を数十kbのゲノム配列パターンから学習した高速な機械学習モデルを創出し、従来特に発見困難な3つ以上の多型のエピスタシス効果の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、DNA配列パターンの機械学習法(MENTR法)が転写制御の原因多型を精密に予測することを証明した。MENTRを用いて喘息やアトピー性皮膚炎、後縦靱帯骨化症などの原因多型とその転写制御機構を明らかにした。ゲーム理論の活用によって、MENTRが遠方の非線形な効果を予測に活用していることを明らかにし、エピスタシス効果の学習が示唆された。MENTRの深層学習について、5%の精度と引き換えに80%以上の計算量削減に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MENTRの原因多型の予測に関する精密さ(特に真陰性予測能の高さ)は多型の組み合わせ効果(エピスタシス効果)を検証するための必須の特性である。本研究でエピスタシス効果を自ずと学習していることが示唆されたMENTRとその軽量モデルの活用により、大規模ゲノム解析から見出される疾患感受性多型の再解釈が進展し、エピスタシス効果を含む新たな生物学的知見の発見が期待される。
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