研究課題
若手研究
現在アルツハイマー病 (AD:Alzheimer's Disease) の新薬開発は難航している。効率的な薬剤探索の手法の一つとして既存の薬剤から新たな薬効を見出し別の疾患へ応用するドラッグリポジショニング (DR:Drug Repositioning) が注目されている。遺伝子発現データを用いたDR手法が提案されてきたが、遺伝子発現データはしばしば再現性が低く、また遺伝子間の関係性も十分に考慮されていない。そこで本研究ではADオミックスデータによるメタアナリシス統計量とADに特化した生体分子ネットワークデータを駆使しADに特化した精度の高いDRを目指す。
本プロジェクトでは生体分子ネットワーク情報を考慮したドラッグリポジショニング解析を進めた。ドラッグリポジショニング解析についてはネットワーク情報を考慮することで疾患との妥当性がある創薬標的候補遺伝子を同定できた他、それらを標的とする既存薬を同定することができた。一方でドラッグリポジショニング解析によって推定された既存薬はガン治療薬が多く見つかった。ADは脳における疾患であるため、薬剤が脳血液関門を通過しなければならないというハードルがある。今後は薬物の作用機序や分子メカニズムを考慮した本手法の改善を行うとともに、得られた薬剤の妥当性を実験的に検証する必要がある。
ADをはじめとする認知症の罹患者数は増加の一途を辿っており、その根本治療は多くの患者の悲願である。しかし、初めて症例が確認されてから120年経った今もなお、ADの根本治療薬開発は難航している。2023年1月に新薬が米国食品医薬品局に承認されたが、一定の有害事象も報告されているため多角的な創薬戦略が必要である。本研究手法を改良していくことで新たな薬剤探索が可能になると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 7件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件)
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