研究課題/領域番号 |
20K15801
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
長岡 創 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20870158)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 卵形成 / 不妊症 / 早発卵巣不全 / 減数分裂 / 始原生殖細胞 / 試験管内分化誘導 / ZGLP1 / 配偶子形成 / 試験管内誘導 / 相同組換え / レトロトランスポゾン抑制 / 生殖寿命 / 性決定 / 転写制御 / 相同組換え形成 / 多能性幹細胞 / 卵母細胞 / 転写制御機構 |
研究開始時の研究の概要 |
卵母細胞は、次世代個体を形成しうる能力を有する生命継承の担い手であり、始原生殖細胞を起源として、胎生期に生殖巣体細胞からのシグナルによって運命決定される。申請者は最近、多能性幹細胞から始原生殖細胞を試験管内再構成する実験系を用いて、転写因子ZGLP1を強制発現させると90%以上の効率で卵母細胞への分化が誘導されることを発見した。本研究では液性因子との上流・下流関係や直接の標的因子の同定を含む、ZGLP1による卵母細胞の運命決定機構を解明する。
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研究成果の概要 |
卵子は受精を経て、体を作る全ての細胞を生み出す力を持っており、生命を繋いできた世代継承の要である。本研究では、アクセスが困難な胎児期にて起こる生殖細胞形成プロセスを培養ディッシュ上で再現し、雌性性決定因子であるZGLP1の制御機構を明らかにすることを目指した。胎児期から出生にかけての卵母細胞の詳細な遺伝子発現解析と遺伝子改変細胞を用いた機能検証から、ZGLP1により制御される遺伝子群は胎児期から成人期にかけて幅広く卵形成に関与し、減数分裂進行や細胞内恒常性維持などの制御を介して卵母細胞の生存を保証することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性の生涯における生殖能力は卵母細胞の「数」と「質」が胎児期に正しく作られることによって保証されるが、胎児期の卵母細胞形成を制御するプログラムの多くは不明瞭である。本研究により胎児期卵母細胞の生存を保証する転写プログラムの理解を向上することができ、女性の妊孕性を規定する卵巣予備能成立の根底プロセスの理解が進んだ。この成果は、不妊症の機序の理解に貢献し、また、将来的なヒト卵母細胞の試験管内誘導の創出にも寄与すると期待できる。
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