研究課題/領域番号 |
20K15805
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
巳波 孝至 神戸大学, 理学研究科, 助教 (70834969)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 始原生殖細胞 / クロマチン / C. elegans / 線虫 |
研究開始時の研究の概要 |
始原生殖細胞は生殖細胞(精子や卵など)の元となる細胞である。始原生殖細胞は形成後、遺伝情報を保持するために大規模な転写抑制状態が保たれている。特に線虫C. elegansでは、転写抑制制御に伴って高密度に凝集した染色体構造が形成される。本研究では、この構造の形成に不可欠なクロマチン制御因子としてクロモドメイン蛋白質MRG-1に注目した解析を進める。MRG-1と協調してクロマチン制御に関与する因子を同定するとともに、線虫始原生殖細胞における染色体動態のライブイメージング系を確立し、その経時的な変化を明らかとすることで、始原生殖細胞のゲノム安定性を保障するクロマチン制御機構の全容を明らかとする。
|
研究成果の概要 |
始原生殖細胞は生殖細胞(精子や卵など)の元となる細胞である。始原生殖細胞は形成後、遺伝情報を保持するために大規模な転写抑制状態が保たれている。特に線虫C. elegansでは、転写抑制制御に伴って高密度に凝集した染色体構造が形成される。 本研究では、この構造の形成に不可欠なクロモドメイン蛋白質MRG-1と協調的に機能する因子として、ヒストンアセチル化酵素CBP-1、ジンクフィンガー蛋白質ZFP-1を同定した。 また、MRG-1を介したクロマチン制御が体細胞においても重要であり、MRG-1の欠失が転写因子DAF-16を起点としたストレス応答反応を引き起こすことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、MRG-1と協調して機能するクロマチン制御因子としてZFP-1を見出した。ZFP-1の機能するヒストンH3K79メチル化修飾は線虫においては知見が乏しく、その機能の解明は始原生殖細胞におけるクロマチン制御の理解につながることが期待される。 また、本研究では体細胞性MRG-1の欠失に起因するクロマチン制御の異常がストレス応答系を活性化させることを見出した。これは染色体動態の異常を感知する新規のストレス応答系が存在する可能性を示している。
|