研究課題/領域番号 |
20K15807
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
爲重 才覚 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 特任助教 (20725006)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 植物発生学 / 形態形成 / 葉 / オーキシン / ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
植物ホルモンのオーキシンが組織の中で濃淡のパターンを生じることで、葉や根の形成、葉の形態などが制御されており、このパターン形成機構を解明することは植物発生学の中心的課題である。オーキシンを輸送するタンパク質であるPIN1によってパターンが形成されるという機構はよく知られているが、それだけでは説明できない側面もあり、解明が待たれている。本研究ではこの未知のパターン形成機構においてペプチドホルモンであるEPFL2が重要な役割を果たすことに注目し、その詳細を分子生物学実験とコンピュータシミュレーションにより解明する。
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研究成果の概要 |
植物の多様な発生パターンを決定するオーキシンの分布パターンは、そのほとんどが極性輸送によって形作られると考えられているが、極性輸送と直接関わらない機構によるパターン形成原理についてはあまり知見が無い。本研究では、広範な植物が持つペプチドの一種であるEPFL2による、オーキシンパターンの制御メカニズムの解明に挑んだ。EPFL2ペプチドの遺伝子を欠損すると、葉の鋸歯の数や、鋸歯の形成に先立って形成されるオーキシンの蓄積パターンの間隔に異常が出ることを見出した。加えて、そうした発生パターンの変化を説明しうる数理モデルの構築に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の形は古来より人の自然観や美意識を形作る上で重要であり続けてきた。植物の形を作る上で主要な働きをする植物ホルモンであるオーキシンは、局所に蓄積し、あるいは蓄積しないことで、濃淡を生み、特定の位置に凹凸などの形態を形成する。そうしたオーキシンのパターンを決める仕組みとして従来知られていなかったEPFL2ペプチドによるメカニズムについて研究を進めた。EPFL2の機能を、分子生物学実験およびコンピュータシミュレーションの観点から解析することで、葉の形態を決めるオーキシンパターンがどのように制御されているのか、新たなレイヤーでの制御があることを明らかにした。
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