研究課題/領域番号 |
20K15812
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小林 優介 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 助教 (20800692)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 母性遺伝 / クラミドモナス / モノプラズミー / 相同組換え / 葉緑体核様体 / 葉緑体DNA / 葉緑体母性遺伝 / ヘテロプラズミー / 葉緑体DNA合成 |
研究開始時の研究の概要 |
葉緑体DNAは多くの藻類・植物においてメンデル遺伝から逸脱し、母性遺伝する。同型配偶子で生殖を行う緑藻クラミドモナスでは接合子形成約60分後にオスの葉緑体DNAが選択的に分解されることが知られている。さらに本研究では、同生物の接合子で観察される葉緑体DNAの「組換え抑制」と「選択的複製」が母性遺伝を担保することを示し、母性遺伝の新奇モデルを提唱することを目指す。
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研究成果の概要 |
多くの生物で葉緑体は母性遺伝する。クラミドモナスでは、接合後に雄葉緑体DNAが選択的に分解される。本研究で、葉緑体DNAの複製は、一葉緑体あたり約80コピー存在する葉緑体DNAの一部のコピーが何度も鋳型となって複製されることを示唆した。この複製様式は、接合子に雄葉緑体DNAが残存した場合でも、雌葉緑体DNAを選択的に複製することで、母性遺伝を保障すると考えられる。また、接合子特異的な相同組換え因子の発現上昇は、次世代に安定的に葉緑体ゲノムを渡すために重要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
葉緑体は光合成を行うことで地球上の多くの生命を支えている。葉緑体DNAに外来遺伝子を導入することで多量の有用タンパク質を葉緑体内に蓄積させ、これをワクチンに利用する研究が進んでいる。また葉緑体が母性遺伝するという特徴から、葉緑体DNAに導入した外来遺伝子は花粉などによって野外に拡散されにくいと考えられている。葉緑体DNAの母性遺伝機構を理解すれば、その知見は有用作物の育種技術に応用できると期待される。
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