研究課題/領域番号 |
20K15827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
柴田 美智太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (20734817)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 根毛 / シロイヌナズナ / 転写制御 / 栄養応答 / 転写因子 / 翻訳後修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は生存戦略として、外部環境に応答した成長制御を行う。特に根の組織である「根毛」はその応答が顕著であり、土壌中の無機栄養素に応じてその長さが変わるという現象がよく知られている。一方、その現象の背景にある詳細な分子機構は明らかではない。これまでの研究から、転写因子GT2-LIKE1 (GTL1)が、根毛の成長を負に制御することが明らかとなった。そこで本研究計画では、植物が変動する環境に対し柔軟に適応するメカニズムへの理解を目指し、転写因子GTL1の活性を制御する分子機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
根毛は根の表面積を増やすことで、土壌からの効率的な栄養吸収に寄与する。本研究ではシロイヌナズナを用い、栄養が豊富に存在する環境下で植物が根毛の成長を強く抑制することを発見した。さらにその強い成長抑制の分子機構として、転写因子GTL1およびDF1が根毛の成長促進因子RSL4を転写抑制することを明らかにした。本研究の結果は、植物が根毛の成長抑制を通じて必要以上の栄養を吸収しない仕組みを有することを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで植物の栄養応答は「特定」の栄養素が「不足」した条件で研究が進められてきた。一方、本研究は「複数」の栄養素が「過剰」に存在する条件での応答に着目し、転写因子GTL1が栄養過剰条件において根毛の成長を適切に抑制するために必要な因子であることを明らかとした。昨今、過剰量の肥料が施されたことに由来する湖川の富栄養化や大気汚染などは大きな問題となっており、栄養過剰条件における植物の応答とその分子機構に切り込んだ本研究の成果は社会的にも学術的にも意義深いものである。
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