研究課題/領域番号 |
20K15828
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
戸田 聡 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 助教 (20738835)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 合成生物学 / 細胞間コミュニケーション / モルフォゲン / パターン形成 / 細胞増殖 / 組織恒常性 / 組織サイズ |
研究開始時の研究の概要 |
細胞増殖の分子機構は盛んに研究されてきたが、組織内の個々の細胞の増殖が全体として細胞集団のサイズをどのように制御するかについては不明である。本研究では、細胞どうしが互いの増殖を制御する細胞間コミュニケーションを一から構築して、サイズを自己制御する人工組織を形成することを目指す。さらに、細胞増殖を制御する細胞間コミュニケーションにおいて、フィードバック回路の構築とパラメーターの操作解析を行うことで、細胞集団が頑強に組織サイズを維持するための十分条件を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、細胞集団が組織構造を自律的に形成・維持する仕組みを解析するため、緑色蛍光タンパク質GFPを細胞間シグナル分子として用いた細胞間シグナル伝達モデルを構築した。このシステムでは、細胞がGFPを分泌し、液中のGFPを人工受容体によって認識して細胞の遺伝子発現を誘導することで、GFPがまるで細胞間シグナル分子であるモルフォゲンのように機能する。このシステムを培養細胞に導入し、パラメータ探索やフィードバック回路構築、細胞増殖などの細胞応答の誘導により、分泌物質による多細胞動態の制御原理を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体組織内におけるシグナル分子の分布や個々の細胞の状態をすべて把握することは困難であるため、本研究では、培養皿上でシグナル分子が細胞動態を制御する仕組みそのものを再構成し、細胞集団が自律的に多細胞組織を形成・維持する原理を解析した。細胞間シグナルを人工構築する技術は、細胞の分化を空間的に制御して人工組織を構築する組織工学分野や、体内の必要な場所へ細胞を送り込む細胞医薬開発への応用が期待される。
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