研究課題/領域番号 |
20K15833
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
相澤 清香 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (90754375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 概日リズム / 摂食 / 肥満 / 内分泌 / 下垂体 / 視床下部 / 代謝 / ニューロメジンU |
研究開始時の研究の概要 |
多くの動物は摂食に概日リズムを備えているが,そのリズム形成機構の実態は不明な点が多い。申請者は以前に,摂食抑制作用をもつホルモンであるニューロメジンU(NMU)の発現が,脳下垂体隆起部において高発現し,概日リズムを示すことを明らかした。ラットは夜行性動物であり,ラットの摂食量が少ない明期にNMUの発現が高く,摂食量が多い暗期に発現が低かったことから,摂食の概日リズム形成と摂食抑制ホルモンNMUとの関連性が考えられた。そこで本研究では,摂食リズム形成に摂食抑制ホルモンNMUがどのように関わるか,特に摂食制御中枢への作用はあるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
NMUは摂食を抑制する作用をもち,エネルギー代謝の制御に関わるホルモンとして知られている。今回の研究では内因性NMUの機能解析のため,NMU欠損ラットを作製して摂食や肥満度への影響を解析した。その結果,NMU欠損ラットは摂食量も増えず肥満にもならなかった。これは一般飼料の給餌下だけでなく,高脂肪食を慢性的に給餌した場合でも同様であった。さらに,ラットの摂食制御に関わる脳領域では,NmuとNmur2 mRNAはほとんど発現していないことも明らかとなった。これまでNMUは摂食抑制ホルモンとして注目されていたが,生物種が違えば,たとえ非常に近縁な種であっても,その働きが異なることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から、摂食抑制ホルモンであるニューロメジンUが生物種によって全く異なる作用を示すことが明らかになりました。またホルモンやその受容体の発現部位を変化させることで、同じホルモンに異なる機能をもたせることが可能になることが示されました。本研究では、マウスとラットという非常に近縁な種間での違いを示しました。生物は、私たちが考えている以上に多様性に富んでいるのかもしれません。マウスやラットは哺乳類の代表的なモデル生物ですが、その実験で得られた結果が他の生物にも当てはまるかどうかは十分な検討が必要です。本研究は、動物実験結果のヒトへの応用に警鐘を鳴らすとともに、生物の多様性を強く示しました。
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