研究課題/領域番号 |
20K15844
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
和田 清二 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (90747320)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | オプシン / ゼブラフィッシュ / 松果体 |
研究開始時の研究の概要 |
下等脊椎動物の松果体は、眼とは“独立”した眼外の光受容器官である。眼が視覚に寄与するのに対し、松果体の光受容が、どのような機能と関連するのかほとんど明らかとなっていない。申請者は、松果体と眼の光情報が、脳内で統合・並列的に処理される可能性を見出した。すなわち、松果体と眼が、独立した光受容器官であるにもかかわらず、それぞれの受け取った光情報が統合・並列的に利用され、ひとつのアウトプットをもたらす可能性が考えられた。そこで本研究では、松果体由来の光応答と眼由来の光応答が同一の脳領域、あるいは、同細胞で現れるのかをカルシウムイメージングにより解析し、それらの統合あるいは並列的処理の観測を試みる。
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研究成果の概要 |
哺乳類を除く脊椎動物は、眼以外の光受容器として松果体を有する。松果体には眼の網膜の視細胞とよく似た光受容細胞が存在し、眼とは異なる光受容タンパク質が発現する。また、松果体も眼と同様に光情報を脳へ伝えられることが示唆されていた。しかし、松果体の光受容を起点とした光応答が脳の中で観測された例はこれまでない。そこで本研究では松果体が受け取った光情報が脳のどこに伝えられるのかをWhole-brain imagingにより明らかにすることを目指した。その結果、松果体オプシンの分子特性に注目した光刺激法を最適化し、松果体の光受容由来の応答を示した脳領域を可視化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、松果体の光情報が脳へ伝えられることが生理学的に実証された。また、松果体と眼の光情報が統合される現象を捉えた。異なる光受容器由来の光情報が脳内で統合されることから、単に、眼や松果体といった光受容器単位で生理機能を発現するのではなく、光受容器どうしの協調が機能発現をもたらす新しい可能性を見出した。また、異なる「感覚器」由来の情報の統合とも捉えられ、感覚のマルチモダリティを示しているものでもあり、社会的意義のある成果と考えられる。
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