研究課題/領域番号 |
20K15845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
武石 明佳 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 理研白眉研究チームリーダー (30862007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 神経 / 行動 / 線虫 / イメージング / 温度 / 匂い / 感覚統合 / 嗅覚 / 統合 |
研究開始時の研究の概要 |
生き物は、周辺環境を正確に感知して、神経系でそれらの情報を統合し、有利な生存環境を獲得できるように行動を決定する。しかし、神経系における情報統合のメカニズムの多くは未だ明らかでない。本研究では、線虫に温度と匂い刺激を与えて行動実験を行い、各情報を伝える神経回路がどのように相互作用を行って行動を決定するのかを明らかにする。線虫の遺伝子やシグナル経路の多くは進化的に保存されていることから、本研究で明らかになる、異なる神経回路が相互作用を行う分子メカニズムは、哺乳類をはじめとした他の生物における多感覚統合機構の理解にも結びつくことが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、複数の情報が脳内でどのように処理されるのかを調べることを目的とし、行動実験と神経細胞におけるカルシウムイメージング法を用いて、、匂いと温度刺激に同時に晒された線虫が行動を決定するメカニズムの詳細を分子生物学的・遺伝学的に解析した。その結果、線虫が置かれた状況に応じて匂いもしくは温度の刺激の優先度を変化させることがわかり、さらに複数の環境情報統合に重要な役割を果たすことが示唆される遺伝子の候補を複数同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、単一刺激に対する個体の応答や情報処理の神経機構が解明されてきた。しかし、常に複数の刺激を受け取る脳が、いかに各情報のバランスをとり、行動を選択するのかについての多くは明らかでない。本研究では、感覚の統合に関与することが示唆される進化的に保存された遺伝子の候補を同定した。行動障害には脳内での情報処理異常が関与すると考えられており、本研究をさらに発展させることでヒトの行動障害機構の解明に寄与することが期待される。
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