研究課題/領域番号 |
20K15847
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2021-2023) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2020) |
研究代表者 |
宮原 麗子 国立感染症研究所, 感染症疫学センター, 室長 (40567301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 結核 / 感染症 / 全ゲノム解析 / クラスター / 結核菌 / 感染伝播 / 遺伝子解析 / 結核感染症 / 東南アジア / 宿主遺伝子 / ゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
結核感染症は今なお世界の3大感染症の一つであり、感染拡大予防の新たな対策が必要である。本研究の目的は、結核患者と結核菌のゲノム情報を用いて集団発生に寄与する早期発病患者の宿主遺伝要因を明らかにすることである。結核菌の全ゲノム解析によって特定されたクラスター群に含まれる患者に対してインタビュー調査を行い、感染経路や感染時期を推定し、クラスター群内の疫学的な繋がりを明らかにする。またクラスターを形成する結核患者は最近の感染伝播によって発病した可能性が高いため、クラスター群と非クラスター群でGWASとHLA比較解析を実施することで、クラスター形成や早期発症に関与する宿主遺伝要因の探索を行う。
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研究成果の概要 |
結核感染症は世界的に依然として死亡原因の上位を占めている。これまでの研究から、結核菌の遺伝子型によって感染伝播性に違いがあることが知られている。本研究は、結核菌の全ゲノム解析結果から遺伝的クラスターを同定し、感染者の宿主遺伝子を含めた集団の特徴や接触パターンから、感染伝播の不均一さを生み出すリスク因子を解析した。過去の研究同様、Lineage2は大クラスター(1クラスターあたり10名以上の結核患者が属する)と関連していた。また、過去受刑歴がある人は大クラスターに含まれる傾向が高いことが明らかになった。遺伝的クラスターの形成への宿主遺伝子の関与については今後サンプル数を増加し解析していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
結核高蔓延国における結核対策の重要な点は、限られた医療資源をどのように分配し効率的に利用するかということである。そのため、接触者健診やアウトブレイク調査などの感染対策を、どのような感染者を対象に重点的に実施するかを明らかにすることが重要である。本研究は、結核感染拡大や感染伝播性の不均一性に、過去の受刑歴や結核菌の遺伝子型が関連していることを明らかにした。刑務所での結核感染拡大が地域内での感染拡大に影響していることが示唆され、重点的な刑務所への介入や対象者の選定による効果的な感染対策や結核スクリーニング手法に関して重要な提言となった。
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