研究課題/領域番号 |
20K15862
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 (2021-2022) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
木下 豪太 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 博士研究員 (60774578)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 季節性毛色変化 / 環境適応 / 野生哺乳類 / 収斂進化 / 全ゲノム解析 / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では北方に生息する多様な哺乳類で季節性毛色変化が収斂進化した遺伝的メカニズムを明らかにするため、全ゲノム解析によってニホンノウサギの責任遺伝子を特定し、ノウサギ属内で季節性毛色変化が収斂進化した遺伝的基盤と進化背景を解明する。そして、他属の哺乳類でも全ゲノム情報をもとに候補遺伝子を精査し、多様な哺乳類での収斂進化メカニズムを解明する。さらに、日本列島を舞台に各種がどのように毛色多型を獲得・維持してきたのかを集団史と絡め、時空間的に推定する。
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研究成果の概要 |
本研究ではニホンノウサギの毛色二型の原因遺伝子について、遺伝子発現パターンの解析、系統解析による多型の獲得起源の解析、過去の気候変動による集団動態の推定を進めた。その結果、多型に関わるアリルで換毛期間中の発現量に差があることを検出した。また、ニホンノウサギの多型のアリルは、同一遺伝子による多型をもつ北米のオジロジャックウサギの多型のアリルは系統的に離れていることを明らかにした。また、列島内で最終氷期前後での有効集団サイズの増加と減少が推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
毛色や羽毛の冬季白化は積雪環境への適応形質として、温帯以北の様々な哺乳類や鳥類で収斂進化している。しかし、異なる分類群間でどのように冬季白化が収斂進化したのかは未解明な部分が大きい。本研究では、ニホンノウサギはこれまで報告されている大陸産ノウサギとは異なる遺伝的基盤により季節性毛色変化を収斂進化させたことを明らかにすることができた。同時にその起源として、祖先多型の可能性や、未解析種からの遺伝子浸透の可能性も示唆された。本研究の成果は、北方に生息する多様な哺乳類で季節適応の遺伝的基盤と、気候変動による生物の進化的応答についての重要な知見を与えるものである。
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