研究課題/領域番号 |
20K15868
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 千葉県立中央博物館 |
研究代表者 |
西内 李佳 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (70828805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 花粉分析 / 大型植物化石 / オオシラビソ / 亜高山帯 / 完新世 |
研究開始時の研究の概要 |
長野県北部,黒姫山の標高の異なる3か所の湿原・池の約1万年前~現在の地層から花粉化石と大型植物化石を抽出し,3地点それぞれにおけるオオシラビソを含む植生の変遷を明らかにする.また,3地点の比較に基づいて,標高・地形による植生や,その変遷のタイミングの違いを明らかにする.黒姫山の3地点と黒姫山の8 km北隣に位置する妙高山南西麓の盆地の1地点の植物化石データに基づいて,黒姫山周辺での最終氷期~現在の気候変動に伴うオオシラビソの分布変遷と,標高・地形との関係を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、多雪地域の亜高山帯に分布するオオシラビソ林の成り立ちに、最終氷期以降の気候変動と地形が与えた影響を明らかにし、日本固有種であり現在の日本海側の亜高山帯林の主要構成種となっているオオシラビソの分布立地について重要な知見を与えることで、日本の森林の種多様性形成過程の解明の一助になることである。 長野県北部の黒姫山で、標高の異なる3つの湿地で採取した約1万年前~現在の地層から植物化石(花粉・種実・葉)を抽出し、3地点のオオシラビソを含む植生の変遷を明らかにする。3地点間の比較から、気候変動に伴うオオシラビソの分布変遷と標高・地形との関係を明らかにする。山麓盆地の最終氷期の堆積物に含まれる植物化石からオオシラビソの最終氷期の分布立地についても考察し、黒姫山周辺でのオオシラビソの分布変遷を解明する。 2023年度は、2021年度に南麓の種池(標高1,170 m)のほとりにおいて、2022年度に中腹の大ダルミ湿原(標高1,590 m)において、それぞれ地質コンサルタント会社に委託し人力ボーリングによって採取したボーリングコア8本の、写真撮影、堆積物の観察、柱状図の作成等を行った。種池の最も長いボーリングコアの最深部の堆積物の炭素14年代測定結果から、過去1万年間のうち最も温暖であった縄文海進期の堆積物を含む試料であることがわかり、温暖期のオオシラビソの逃避地(レフュージア)を明らかにする上で貴重な試料と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初年度の2020年度に県をまたぐ移動が困難となった。特に、勤務地である千葉県は緊急事態宣言が発令されている期間が長く、他の県への移動自粛が長期間に渡って続いた。高山での人力ボーリングの実施は、天気、気温、日照時間等様々な条件を勘案する必要があり、委託業者との綿密な調整が必要である。また、黒姫山は国立公園に指定されており、試料採取等の許可申請等様々な事前準備が数ヶ月前から必要である。2020年度の状況下では事前に計画を立てることが困難であり、ボーリングの実施を見送ったため、計画はおよそ1年分遅れている。 所属機関である博物館では、2020~2022年度にかけて当番業務や消毒作業など新型コロナウイルス感染拡大防止に関連した業務が増加した。また、2023年度には人事異動等の影響により担当業務の責任と負担が急増したため、研究に割ける時間・体力が極めて少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、採取した8本のボーリングコアの約1万年前~現在の堆積物と、採取済みの山麓盆地の最終氷期の堆積物から植物化石(花粉・種実・葉)を抽出し、オオシラビソを含む植生の変遷を明らかにする。
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