研究課題/領域番号 |
20K15871
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 宮城教育大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
石井 悠 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(RPD) (40770813)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 褐虫藻 / 細胞内共生 / 進化 / 遺伝子導入 / サンゴ / 共生 / サンゴ共生藻 / 遺伝子発現量操作 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
単細胞藻類である褐虫藻は、サンゴやイソギンチャクなどの刺胞動物と細胞内共生し、この共生関係は環境変動により変化する。この可塑的な共生関係は異なる生物間で共生性が進化するメカニズムの解明のモデルとなるが、褐虫藻の遺伝子操作技術が確立されていないことからその分子メカニズムは解明されていない。そこで本研究では遺伝子のノックアウトおよびノックダウン法などを開発し、それらを用いて共生の分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
単細胞藻類である褐虫藻は、サンゴなどの刺胞動物と細胞内共生し、この共生関係は環境変動により変化する。この共生関係の分子メカニズム解明では、褐虫藻の遺伝子操作技術が未確立であることが解析の障壁となっている。本研究では、再現性が高い褐虫藻の遺伝子導入法の確立と、共生に関わる候補遺伝子を探索と機能解析を目的とした。遺伝子導入法の検討では、遺伝子導入機器であるNEPAによる導入効率の高い条件を決定することに成功した。共生に関わる候補遺伝子を探索と機能解析では、デンプン合成酵素が共生性の進化に関わっており、細胞内でのデンプン合成酵素の局在変化が共生性の進化に関わった可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、熱帯・亜熱帯海域の生態系を一次生産者として支える、刺胞動物と褐虫藻の細胞内共生の分子メカニズム解明のために必要な、褐虫藻の再現性の高い遺伝子導入法開発を大きく前進させることができた。さらに、共生に関わる候補遺伝子を特定し、その機能を推定できたことから、刺胞動物と褐虫藻の共生関係がどの様に進化してきたのかを明らかにする手がかりが得られた。これらのことは、地球温暖化や海洋酸性化といった環境問題に対して、共生の崩壊(いわゆるサンゴの白化現象)にどの様に対処することができるか、といった応用研究の基盤となることが期待される。
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