研究課題/領域番号 |
20K15876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
立木 佑弥 東京都立大学, 理学研究科, 助教 (40741799)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 植物 / ゲーム理論 / 数理モデル / 競争 / 協力 / 進化 / 血縁認識 / 進化ゲーム / 競争応答 / 共有地の悲劇 / 環境認識 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は周囲の生物/非生物環境を認識し、最適から逸脱した環境に晒された際に環境ごとにベストと考えられる反応を示す。この植物の柔軟な応答を数理モデルにより表現し、進化ゲーム理論の枠組みで解析を行い、植物の、(特に生物的)環境に対する応答についての理論予測を行う。数理モデルによる予測を、栽培実験によって検証することで、植物の応答理論を構築する。
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研究成果の概要 |
これまでは、植物が土壌資源競争時に過剰に根への資源分配を行う共有地の悲劇問題について、出生時に競争応答として、根への資源配分が確定する静的なゲーム理論による解析しか行われて来なかった。しかし、本研究期間全体を通して、植物の成長プロセスを考慮した数理モデルを構築することにより、動的な理論を達成し、これについては、論文出版を行った。また、血縁認識を取り入れた協調的ふるまいの進化理論については論文投稿準備にまで到達した。今後さらなる発展を望む重要な基盤づくりに成功したと評価できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物は周囲の物理/化学的な環境だけでなく、生物学的環境にも柔軟に応答することがわかってきました。植物が周囲の他個体と土壌中の資源をめぐって競争しているときには、自身の成長バランスを乱してでも根を大きくさせます。この応答を個体群のすべての個体が行うことで生産性が低下してしまうことから共有地の悲劇に例えられます。本研究では、植物の共有地の悲劇に関連して植物が成長しながら競争を行うプロセスや、植物が競争相手との血縁関係に応じて振る舞いを変える現象について、数理モデルを用いた理論研究を展開しました。この成果は植物の種多様性維持機構についての新たなプロセスの提案や、農作物の生産性向上に寄与します。
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