研究課題/領域番号 |
20K15885
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45050:自然人類学関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
神澤 秀明 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (80734912)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 古代DNA / 古墳時代 / 血縁推定 / 核ゲノム / ミトコンドリアゲノム / Y染色体 / 埋葬原理 / 血縁関係 / 古代ゲノム / 埋葬墓 / 人骨 / ゲノム分析 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の古墳時代の埋葬人骨同士の血縁・親族推定を行うことで、古墳時代の埋葬原理の解明を試みる。初年度、次年度に各遺跡の人骨からDNA分析用の資料のサンプリングを行い、DNA分析に適した個体の選別を行う。選別後の個体について、NGSによる全ゲノムシークエンスを実施する。得られたデータより埋葬個体間の血縁推定を行う。また、古墳時代の遺伝的な背景を明らかにするために、主成分分析、F4統計量などの集団比較解析を並行して行う。得られた結果は、最終的に学会や論文、講演会等で社会への情報発信を行う。
|
研究成果の概要 |
人骨の状態の良い千葉県木更津市諏訪谷横穴墓群を中心に研究を進めてきた。人骨14点についてミトコンドリアゲノム分析および核ゲノム解析を行うことで、埋葬個体の遺伝的背景、埋葬墓内、埋蔵墓間の血縁関係を調査した。ミトコンドリアゲノムに関しては13点から結果が得られ、母系系統での血縁関係と思われるハプログループの一致および全周配列の一致が見られた。続いて核ゲノム解析が可能と判断された9点について、次世代シークエンサーによる大規模シークエンスを行い、核ゲノムに基づいても血縁関係にあるペアが検出された。また、遺伝的な特徴としては現代日本人の範疇に含まれ、他の関東の古墳時代人と大差ないことが確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の古墳時代の埋葬人骨の親族研究を行う際には、人骨の歯冠計測値に基づく形態学的な分析がこれまで行われてきたが、その信頼性には疑問が呈され、他人の空似を排除できない問題があった。近年のDNA分析の進展により、ミトコンドリアDNA分析による母系系統での血縁関係が明らかにされるようになったが、父系系統が不明な点や何親等なのかを明らかにすることができないなど、課題もあった。本研究では埋葬人骨の全ゲノム解析を行うことによって、母系系統のミトコンドリアDNAだけでなく、男系系統のY染色体、両系統の核ゲノムを用いた精度の高い血縁推定を試みた点で、これまでの古墳時代の親族研究を進展させる成果となった。
|