研究課題/領域番号 |
20K15888
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
水上 諭 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20814502)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / サルコペニア / 体組成 / 身体機能 / 骨量減少 / 生理的多型性 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人は平均寿命の延伸により、かつてないスピードで超高齢社会を迎えた。超高齢社会を背景とする骨粗鬆症とサルコペニアは生活習慣や栄養状況、運動機能が関連するなど共通点が多く、罹患率は年々増加しており、健康寿命低下につながる重要な問題である。 骨粗鬆症性骨折、サルコペニア増悪、不活動と悪循環が生じると、高齢者にとって脱却は容易ではない。一方、内閣府の調査によると「健康である」と答えた高齢者も約25%存在し、加齢による機能低下には多様性が関与していると考えられる。 そこで、高齢者における骨粗鬆症とサルコペニアの有病率を調査し、骨粗鬆症要因とサルコペニア要因を多面的に検討し、相互関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
長崎県在住中高齢者110名(男性30名、平均年齢72.3±11.2歳、女性80名、平均年齢71.9±9.6歳)を対象に骨健康指標、体組成、身体機能のデータを収集した。 骨健康指標として、2波検出型超音波骨密度計LD-100(応用電機株式会社)を使用し、海綿骨密度・皮質骨厚を計測した。海綿骨密度のYoung Adult Mean (YAM)<70%を海綿骨密度低下、皮質骨厚のYAM<70%を皮質骨厚低下とした。海綿骨密度低下の者は男性19名(63.3%)、女性65名(81.3%)であった。皮質骨厚低下の者は男性12名(40.0%)、女性60名(81.3%)であった。 体組成は、Inbody430を用い、筋肉量を測定した。四肢筋肉量を身長の2乗で除し、Skeletal Muscle mass Index (SMI)を算出した。SMIの平均は男性7.6±0.7 kg/m2、女性6.0±0.6 kg/m2であった。 Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS2019)が提唱したアジア集団のサルコペニア診断基準より低筋量(SMIが男性7.0kg/m2未満、女性5.7kg/m2未満)で低筋力、握力が男性28kg未満、女性18kg未満)または低身体機能(歩行速度が毎秒1.0m未満、または椅子立ち上がり時間が12秒以上)の場合をサルコペニアとした。本研究においてサルコペニア有病率は男性10%、女性17.5%であった。χ二乗検定の結果、女性において、海綿骨密度低下群は正常群と比較して有意にサルコペニアを有している者の割合が高かった(p=0.020)。しかし男性では有意差がみられなかった(p=0.464)。また、男性女性ともに皮質骨厚低下群と正常群のサルコペニアを有する者の割合に有意差はみられなかった(男性:p=0.061、女性:p=0.246)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス流行により予定の対象者数にはとどかなかったが、データ収集を終え、解析段階である。解析結果は2023年6月に福岡で行われる日本生理人類学会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
中高年男女における骨粗鬆症とサルコペニアの特性を明らかにするため、これまでに収集したデータをさらに解析する。2023年6月に福岡県で行われる日本生理人類学会で発表し、論文執筆を行う。
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