研究課題/領域番号 |
20K15900
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
細島 頌子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90847914)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 微生物ロドプシン / ヘリオロドプシン / チャネルロドプシン / 光遺伝学 / オプトジェネティクス / 膜配向 / 抑制性ツール / カリウムチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
自然界には光に反応し、イオンを運ぶタンパク質を持つ微生物が存在する。これらのタンパク質をげっ歯類の神経細胞に発現させ光を照射すると、その細胞でイオン輸送を引き起こすことができるため、細胞や個体の活動制御が可能になる。しかし神経活動の抑制に用いられているタンパク質では、神経活動を抑制するつもりが逆に興奮を生じさせてしまう等の問題が報告されている。そこで本研究では新たな抑制ツールの開発を行い、問題の解決を図る。
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研究成果の概要 |
本研究において、円石藻に感染するウイルスの持つヘリオロドプシン(V2HeR3)が、光依存的にプロトンを輸送することを世界に先駆けて明らかにした。またV2HeR3アミノ酸置換体を用いて、イオン輸送に必須なアミノ酸残基の同定を行い、イオン輸送機構を明らかにし、さらにV2HeR3発現ニューロンにおいて光依存的な活動電位の発生に成功した。またクリプト藻の微生物ロドプシン(GtCCR1-5)の光感度やOFF時定数の測定を行った。その結果、GtCCR4の光に対する応答性がChR2の30倍高いことを明らかにした。この発見は微生物ロドプシンを利用した視覚再生を実現する上でのボトルネックを解消することができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円石藻ウイルスの持つヘリオロドプシンが、光依存的にプロトンを輸送することを世界に先駆けて明らかにした。本研究はヘリオロドプシンを膜配向制御に利用しようと開始したため、その機能が明らかになったことは想定外の発見であった。円石藻は海洋中の二酸化炭素を固定するため、海洋の炭素循環に重要な役割を担っている。円石藻の大量発生は白潮を発生させ、海洋の環境悪化を引き起こす。白潮は円石藻ウイルスの感染により崩壊することが知られているが、本研究からヘリオロドプシンが光を使って円石藻の崩壊を促す可能性が示唆され、地球環境の観点からも注目された。
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