研究課題/領域番号 |
20K15913
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
橋本 美涼 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (80805424)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | アルギニンメチル化 / 小脳 / 小脳発達 / 顆粒細胞 / PRMT1 / 発達異常 / Shhシグナル / 脳発達 / ノックアウトマウス / 脳・神経 / 発生・分化 / 細胞増殖 / メチル化 / 顆粒細胞前駆細胞 / Shh / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
小脳は運動・情動・認知を担う脳の主要部位である。特にニューロン「顆粒細胞前駆細胞(GCP)」が生後に活発に増殖することで小脳が発達する。タンパク質翻訳後修飾の一つであるアルギニンメチル化を担う酵素・PRMT1はGCP増殖制御への関与が示唆されているが、詳細は不明である。 本研究では、GCP特異的PRMT1欠損マウスを作製・解析し、メチル化基質同定・機能解析により、PRMT1が担う小脳発達制御の仕組みを解明する。
|
研究成果の概要 |
タンパク質アルギニンメチル化を担う酵素:PRMT1はターゲットのメチル化により遺伝子発現や細胞増殖等の制御を担う。PRMT1は脳の発達に重要であることもわかってきたが、運動機能を担う小脳における機能は不明だった。 本研究では、小脳の神経細胞の一つである顆粒細胞におけるPRMT1欠損が小脳の発達に与える影響をマウスで調べた。組織学的解析の結果、顆粒細胞の前駆細胞がPRMT1欠損で増殖低下しその後成熟してくる顆粒細胞が減少した。また行動観察からPRMT1欠損で運動機能異常を引き起こすことがわかった。以上よりPRMT1が小脳の構造的及び機能的発達に必須であることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小脳は運動機能、情動、認知機能など脳の主要機能の一部を司り、近年では小脳の発達障害と自閉症との関連も着目されている。 本研究は、タンパク質アルギニンメチル化を担う酵素:PRMT1が小脳顆粒細胞に強く発現することからその発達における機能に着目した。小脳機能を担う顆粒細胞で特異的にPRMT1を欠損したマウスを作製し解析した結果、小脳が小さく特に顆粒細胞の成熟が著しく低下することや運動機能異常を呈することが判明した。本研究結果はPRMT1が正常な小脳発達に必須の遺伝子であることを示しており、今後はPRMT1の小脳における標的分子の探索とともに、その小脳疾患との関係性の解明が必要である。
|