研究課題/領域番号 |
20K15914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
阪東 勇輝 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70826809)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大脳皮質 / イオンチャネル / NALCN / 活動依存性 / 細胞移動 / 神経活動依存性 / 神経回路形成 / 膜電位 / Ca2+ / 神経疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞は多様なイオンチャネルを発現しており、それらが協調して活動依存的神経回路形成に寄与すると考えられる。申請者はこれまでに、静止膜電位制御に重要な漏洩K+チャネルが神経細胞移動を制御することを発見した(Bando et al., Cereb. Cortex, 2014)。漏洩Na+チャネル・NALCNも静止膜電位制御に重要で、ヒト神経疾患との関連も報告されているが、神経回路形成における役割は不明である。そこで、NALCNの機能阻害および亢進を行い、NALCNによる神経活動依存的神経回路形成機構を分子、形態、生理の視点から統合的に解明する。
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研究成果の概要 |
神経活動は神経回路形成に重要な役割を果たす。発生期の神経細胞は多様なイオンチャネルを発現し、それらの協調が発生期における神経活動の時空間的パターンを形成し、神経回路形成に寄与すると考えられるが、その詳細は未だ謎である。本研究の目的は、漏洩Naチャネル、NALCNに着目し、NALCNによる活動依存的神経回路形成機構を分子、形態、生理の視点から統合的に解明することである。NALCN shRNAの発現ベクターを作製し、子宮内電気穿孔法を用いて大脳皮質形成におけるNALCNの機能を調べたところ、NALCNのノックダウンにより、細胞移動が障害されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は静止膜電位制御による興奮性制御という視点からこの機構の一端を解明することで、神経回路形成の生理機構研究を発展させるものである。内在性チャネルに着目した神経発生学研究は、重要であるにも拘らず未だ少なく、本研究は神経発生学分野に大きく貢献することが出来る。さらに、一部の精神、神経疾患においてイオンチャネルの突然変異が報告されており、チャネル病と呼ばれている。本研究により、チャネル病発症機構を、神経細胞の情報処理という、これまで活発に研究されてきた視点のみならず、神経発生学的機構という新たな視点からも解明でき、チャネル病治療戦略の発見につながると期待される。
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