研究課題/領域番号 |
20K15916
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森本 桂子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40815429)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 脳発生 / 免疫グロブリン / 神経 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
神経系と免疫系はともに多様性と特異性を持った特殊なシステムであり、これらの相互作用は近年注目を集めている。しかしその多くは脳内の免疫細胞であるミクログリアなど自然免疫系の細胞によるものであり、多様性を担保する獲得免疫系の関与に関する知見は限られている。 そこで本研究では獲得免疫に関わる細胞や分子が多様性と秩序を兼ね備えた脳の構築・機能にいかに関わるかに関して解明することを目指す。
|
研究成果の概要 |
我々の中枢神経系は神経幹細胞由来のニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトだけでなく、造血幹細胞由来のミクログリアとも相互作用することで複雑なネットワークを形成し、高度な機能を可能にしている。近年これらの脳に常在する細胞だけでなくB細胞やT細胞といった末梢から侵入する細胞も脳発生・機能に影響することが明らかになりつつある。本研究により従来免疫細胞のみが発現すると考えられてきた免疫グロブリン(Ig)のmRNAが神経細胞において発現すること、また母由来Igが脳実質の細胞に特異的に取り込まれておりその受容体が脳に発現することが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常な妊娠過程では感染や炎症を認めないにも関わらず発生期脳において母由来免疫グロブリン(Ig)が脳に存在する意義に関しては全く未知である。本研究により脳においてIgの受容体がミクログリアに発現することが明らかになったことは母由来Igがミクログリアを介して脳発生に何らかの影響を及ぼしている可能性を示唆している。また神経細胞自体がIgのmRNAを発現しているという新たな知見は、これらが脳発生において何らかの未知の機能を持つことを想起させる結果である。
|