研究課題/領域番号 |
20K15918
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中村 悠 久留米大学, 医学部, 助教 (70535484)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 後外側核 / 逆行性神経トレーサー / 視覚 / 視床 / ラット / 視床枕 / Fluorogold / 感覚統合 / LP核 / 逆行性トレーサー / 視床枕核 / LP / 逆向性トレーサー / FluoroGold / 順行性トレーサー / 遺伝子組換実験 / VGluT2 / 遺伝子組換え実験 / 小胞性グルタミン酸トランスポーター / 遺伝子組み換え実験 / シナプス / FIB-SEM |
研究開始時の研究の概要 |
網膜で受容された光情報は、外側膝状体、一次視覚皮質を経由して高次視覚連合皮質に伝えられる。また、高次視覚皮質には、高次視床核のニューロンに由来する興奮性終末が豊富に存在しており、皮質内の情報処理に強く関わることが考えられる。申請者はこれまでの研究で、視覚系高次視床核であるLP核から視覚皮質への投射様式が、亜核毎に異なっていることを明らかにしてきた。この結果からLP核の各亜核はそれぞれ異なる情報を受け取っていることが想定される。本申請課題では、LP核へ投射する皮質下領域の同定と、LP核内における興奮性終末の詳細な構造の解析を目的としている。
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研究成果の概要 |
ラット視床後部外側核(LP)の吻側内側部部(LPrm)と外側部(LPl)は大脳皮質での視覚情報処理に関与しているが、その役割はよく分かっていない。本研究ではLPrmとLPlに情報を送る皮質下領域を明らかにするため、逆行性神経トレーサーで標識された細胞体の脳内分布を解析した。その結果、LPrmは広範囲にわたる皮質下領域からの入力を受けており、様々な感覚や運動に関係する情報を受け取っていることが明らかになった。一方、LPlへの皮質下投射はより限局的であり、その大部分は視覚関連領域を起源としていた。本研究は、感覚知覚や感覚運動統合に関連するメカニズムや障害の解明に貢献するものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで視覚系の視床核と言われていたLP核の役割が、部位によって異なる可能性を示したものである。最近の研究では、複数の感覚情報が統合されていく過程で視床核が重要な役割を果たすことが報告されている。本研究で見られたような、特定の感覚に特化した部位と複数の感覚・運動情報に関係する領域の存在は、脳内での情報処理メカニズムを理解していくうえで有用な知見となる。さらに、精神疾患等の難病の解明や治療法の開発にもつながることが期待される。
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