研究課題/領域番号 |
20K15920
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
橋詰 晃一 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 病態生化学研究部, リサーチフェロー (20842272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞接着 / mTORシグナル / 神経細胞 / てんかん / 細胞間接着 / mTOR / 細胞接着分子 / 神経科学 |
研究開始時の研究の概要 |
セリン/スレオニンキナーゼのひとつmTORは、シグナル伝達を統制する細胞内センサーとして多くの生命現象に関わる重要な分子である。神経系においてもmTORの重要性が明らかにされつつあるが、その制御機構については不明な点が多く、特に脳の組織化に重要である細胞間相互作用との関係はよくわかっていない。神経系の細胞間相互作用を担う分子のひとつに、細胞接着分子DSCAML1が挙げられる。本研究では、(i)DSCAML1によるmTORシグナル制御の分子機構とその生理的意義、(ii)DSCAML1以外の免疫グロブリンスーパーファミリーによるmTORシグナルへの影響、以上2点の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
細胞接着分子DSCAML1が、細胞の成長・代謝を制御するmTORシグナルの抑制因子であることを明らかにした。この抑制機構の分子メカニズムとして、DSCAML1の細胞内ドメインの切断と、それに伴う核内輸送が関与していることが明らかとなった。また、DSCAML1の細胞内ドメインとSTAT3の相互作用がmTORシグナル制御に関与している結果が得られた。DSCAML1欠損マウスでは、生後4週齢以降における海馬でのmTORシグナル亢進と組織サイズの増加が観察され、DSCAML1が生後の適切な脳発生に関与することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、神経細胞が接着という文脈に依存して成長・代謝に関わるシグナルを柔軟に変化させる機序が明らかになる。この知見は、神経科学や細胞生物学の分野において、細胞間相互作用によるシグナル伝達の理解を深める上で重要な貢献となる。また、接着依存的mTORシグナル制御の破綻が神経系に及ぼす影響と疾患との関連性を調査することにより、神経変性疾患や精神疾患の病態メカニズムに新たな視点を提供し、治療・予防に向けた新たな展望が期待される。
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