研究課題/領域番号 |
20K15921
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坪田 有沙 (平野有沙) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60806230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 概日時計 / 概日リズム / 視交叉上核 / SCN / 睡眠 / 体温 / 睡眠リズム / 視床下部 / サーカディアンリズム |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部の視交叉上核(SCN)は概日時計システムの中枢であり、生体としてうまく調和した様々な生理リズムを制御する。細胞内における概日時計の発振メカニズムは分子レベルで解明が進んでいる。しかし、SCNの時計細胞そのものは単なる分子振動体を内在しているだけであり、時刻情報の出力系こそが生理機能(行動・代謝など)のリズム発現に重要であるが、時計発振制御に比べてSCN神経からの出力機構の研究は大きく遅れている。本研究では、神経投射の異なるSCN神経群を解剖学的・機能的に比較解析し、様々な生理リズムが生み出される神経基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
概日時計中枢によって制御される生理リズムの中でも特に、睡眠リズムと体温リズムを生み出す出力経路を同定し、その機能を明らかにすることを目的とした。視索前野へ投射する神経群を特異的に阻害したところ、マウスの睡眠覚醒リズムが消失することを見出した。興味深いことに、このマウスにおいて、輪回し行動リズムは観察された。つまり、睡眠リズムと輪回し行動のようなアクティブな行動リズムは異なる神経回路で制御されると考えられた。さらに同じマウスにおいて睡眠リズムがなくても時計タンパク質の発現リズム、つまり発振系に影響はなかったことから、概日時計の睡眠覚醒リズム出力経路を特異的に同定することができたと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究領域では、時計中枢である視交叉上核内における神経カップリングや、神経内の分子振動に関する研究が多い。一方で、神経から他の脳領域に出力して生理リズムを生み出す神経機構には多くの謎が残されている。本研究は、睡眠リズムおよび体温リズムを生み出す出力機構の一端を明らかにしたという意味で先駆的な研究である。これらの出力経路の理解は、概日時計そのものをターゲットとしない睡眠障害に対する介入法の開発に役立つと期待できる
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