研究課題/領域番号 |
20K15924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
堤 新一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 副チームリーダー (20862676)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 小脳 / 自閉症スペクトラム障害 / 二光子イメージング / 感覚運動連関 / 登上線維 / 同期性 / 自閉症 / 運動タイミング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自閉症スペクトラム障害における感覚統合異常の定量、小脳外側部の機能障害の解明と、その適切な介入による機能補填を目標とする。申請者は小脳外側部局所回路における感覚処理と、それに基づく行動制御における役割を効率的に調べられる多感覚運動連関タスクをデザインし、タスク行動中のマウス小脳の二光子イメージング・光遺伝学的介入・高密度電気記録を実現した。本研究ではこの手法を自閉症スペクトラム障害モデルマウスに適用することで神経回路障害の解明と介入法の検討を行う。このような神経科学の最新技術を疾患モデルマウスに応用する研究はいまだに稀少であり、本研究の成果は将来的な臨床への還元が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では小脳外側部を含む神経回路の異常が自閉症スペクトラム障害の中核となる病態や行動レベルでの障害に関与する可能性について、動物モデルを用いて検討した。自閉症スペクトラム障害モデルマウスに感覚運動連関タスクを行わせ、行動障害を定量するとともに、タスク中の小脳神経細胞活動を二光子イメージングにより記録した。疾患モデルマウスでは感覚運動連関の学習に遅れが見られ、それに対応し、小脳細胞集団の同期構造やその活動に乱れが見られた。これらの結果は小脳神経回路の同期構造とその機能異常が精神疾患における学習・行動異常に関わっている可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、動物モデルを用いて自閉症スペクトラム障害における感覚統合異常の定量、小脳外側部の機能障害の解明を目標とした。結果として、自閉症スペクトラム障害モデル動物において、感覚運動連関の学習異常が見られ、それが小脳同期構造とその活動の異常と関連することが示唆された。本研究で使用したタスクはヒトにも応用可能であり、将来的には、自閉症スペクトラム障害の発症と深く関連する小脳外側部の機能障害の臨床的評価と、早期診断に貢献する可能性がある。
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