研究課題/領域番号 |
20K15930
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
網田 英敏 京都大学, 霊長類研究所, 特定助教 (80845321)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 神経科学 / 霊長類 / 大脳基底核 / 報酬 / ドーパミン / 価値 / 予測 / ウイルスベクター / 長期学習 / 短期学習 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳基底核には短期学習によって柔軟に行動を切り替える領域と、長期学習によって定常的な行動を遂行する領域があると考えられている。しかし、これらの領域がどのようにして私たちの行動を適切に制御しているのかについてはまだよくわかっていない。本研究では、ウイルスベクターを用いて経路選択的な神経活動操作をおこなうことにより、大脳基底核が適切に行動を制御するメカニズムを調べる。
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研究成果の概要 |
「視覚図形―報酬」連合の古典的条件づけ課題において、サルが報酬を予測しているかを行動レベルで調べるため、図形の提示後から報酬が出てくるまでの期間における眼球運動パターンを解析した。100%報酬と連合した図形を提示した条件では0%報酬と連合した図形を提示した条件よりも注視頻度が有意に高かった。一方、50%報酬の図形を提示した条件では中間的な注視頻度を示した。 つぎに被殻前部ニューロンの神経活動を記録した。「図形-報酬確率」の連合学習において、被殻前部ニューロンは報酬予測活動および報酬応答活動を示した。一方、逆転学習課題では、被殻前部ニューロンの神経予測活動はブロック切り替えの後、徐々に変化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は状況依存的なジャッジメントにかかわる脳領域および神経路を調べるうえで重要である。本研究において、眼球運動を計測することにより報酬出現を予測しているかを読み取ることができることを示した。この行動指標は、ヒトや動物の内的状態を調べるための言語以外の指標として有用である。 また、本研究において、大脳基底核の被殻前部ニューロンが報酬予測活動と報酬応答活動の両方を示すことを明らかにした。報酬予測と報酬の両方の信号が同一ニューロンによって表現されていることにより、学習に必要な報酬予測誤差信号の生成に寄与している可能性がある。本研究成果は大脳基底核疾患メカニズムの解明に貢献しうる。
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