研究課題/領域番号 |
20K15934
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
相馬 祥吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00723256)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 左右前肢運動 / 独立運動 / 海馬-嗅内皮質回路 / 運動野 / 協調運動 / 頭頂連合野 / 光遺伝学 / げっ歯類 / 連合野 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は両手を器用に使い料理や楽器の演奏など複雑な運動を行う。霊長類の研究から、このような左右の前肢運動には高次運動野における左右半球間の連絡が重要であることが示唆されてきたが、神経回路レベルでの制御機構は未解明のままである。本研究では、げっ歯類の左右前肢運動を詳細に観測できる行動実験装置、多細胞同時記録法、光遺伝学などを利用することで神経回路特異的に左右の前肢運動の制御回路機構の全容解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
過去の経験に基づいて自発的に左右前肢のどちらか一方を動かす神経基盤の解明に取り組んだ。独自開発したラットの左右前肢による行動実験系・多細胞同時発火記録・光遺伝学を組み合わせることで、海馬-嗅内皮質回路の細胞は学習の進行に伴って前肢の運動発現が報酬の獲得もたらすという行動-結果の随伴性を示す機能的活動を獲得していくことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究では、運動野から筋肉へと運動信号が送られることで左右の手を緻密に制御していることを解明してきたが、本研究では、内発的動機づけにより左右どちらの手を動かすのかを決定する神経メカニズムの解明に取り組んだ。運動野の細胞が学習初期から「手を動かす」という機能的活動を示した一方で、報酬を獲得するために、「どちらの手を動かすのか」という内発的な情報を海馬・嗅内野の細胞が学習の進行に伴って表現することを明らかにした。この成果は、私たちが過去の経験に基づき未来の選択を判断する脳の仕組みの理解を一歩進めるものである。
|