研究課題/領域番号 |
20K15938
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2022) 関西学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐久間 理香 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90780180)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ペリサイト / Nrf2 / 幹細胞 / 酸化ストレス / 低酸素無糖負荷-再酸素化 / 抗酸化因子 / 活性酸素 / 脳梗塞 / 幹細胞化 / 低酸素-再酸素負荷 / 多能性幹細胞 / ROS / 低酸素無糖条件 / 炎症 / pH / 再酸素化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトやマウスの脳梗塞巣に見いだされる多能性幹細胞(iSCs:ischemia-induced multipotent stem cells)について、その生成機序や血管系や神経系への分化過程について検討する。特に、iSCsの由来細胞と考えられている脳ペリサイトの梗塞(虚血)モデルである低酸素無糖におけるリプログラミングについて遺伝子発現の変化を中心に解析し、さらに分化を促進する因子(物質)の探索を行う。本研究の発展型として、心筋梗塞など他の梗塞における幹細胞単離も目指す。
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研究成果の概要 |
虚血によるペリサイトの幹細胞化は抗酸化因子Nrf2が発現することが鍵であることが明らかとなった。まず、梗塞脳に免疫蛍光染色を施したところ、虚血領域のペリサイトにて活性酸素種やNrf2の増加がみられた。そこで、正常マウスの大脳皮質より単離したペリサイトと、虚血脳から単離した多能性幹細胞(iSC)においてNrf2の発現を比較したところ、iSCの核内にてNrf2が高発現していた。さらに、正常脳ペリサイトにNrf2を過剰発現させ、浮遊培養にて培養するとスフェロイドの形成が促進され、Tuj1陽性神経細胞への分化がみられた。これらの成果については原著論文として発表した(Stem Cells, 2022)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者はマウスだけでなくヒトの梗塞巣内にも幹細胞が誘導されていることをつきとめている。本研究成果は将来脳梗塞患者を対象とした新規薬の開発にも直結する可能性を秘めており、幹細胞の分野において高い国際競争力を持つと考えられる。 虚血によって組織が再生する例は他の虚血性疾患でも報告されている。例えば、心筋梗塞では、マウスの損傷した心臓に低酸素応答系の鍵因子であるHIF-1αを発現させることで傷害部位が再生した報告があることから、他の組織でも酸素濃度依存因子と再生機構は密接に関与している。今後の課題として、脳梗塞モデルと心筋梗塞モデルの両者にて発現が変動する遺伝子を突き止め、知見を得ることが挙げられる。
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