研究課題/領域番号 |
20K15954
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
南條 毅 京都大学, 大学院薬学研究科, 助教 (30817268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | α-ケト酸 / チオエステル / 脱炭酸 / 不斉合成 / N-クロロアミド / ペプチド / デヒドロアミノ酸 / ラジカル / 単体硫黄 / 光反応 / Mannich反応 / N-クロロ化 / チオアミド / 不斉付加反応 / バイオイソスター |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は「α-ケト酸を用いた脱炭酸型分子変換の高い化学選択性を活かすことで、様々な非天然型ペプチド類縁体の合成に利用できる」という自身の仮説を実証するため、申請者が既に有する予備的知見を巧みに活かした発展的研究計画を複数の切り口から提案した。本研究課題では上述の通り、①既に見出しているアミド化反応の想定反応機構から着想を得た新規反応開発を進めるとともに、②独自に開発した手法をさらに複雑かつ大きなペプチド分子の合成に適用する応用研究も行い、最終的に③既存法では合成が困難であった非天然型ペプチド類縁体の効率的供給まで実現する予定である。
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研究成果の概要 |
多くの官能基が存在しても特定の箇所だけを狙って変換できる化学選択的手法の実現は、有用化合物の合成工程数の短縮・誘導体合成の効率化の観点から極めて重要である。筆者はこれまでにα-ケト酸を用いた化学選択的脱炭酸縮合反応を種々報告してきたが、今回単体硫黄を光触媒条件下反応させることで医薬化学上重要な構造であるチオエステルを簡便に構築できることを新たに見出した。また、それらの反応の原料となるα-ケト酸の不斉合成法についても確立した。さらに、N-クロロペプチドを経由するペプチド化学修飾法も新たに提案し、非タンパク質構成アミノ酸の一種であるデヒドロアミノ酸の合成に応用できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年注目を集める中分子創薬の中でペプチドを中心とした複雑分子の合成化学的ニーズは益々の高まりを見せている。筆者らはα-ケト酸という興味深い反応性を有する化合物を用いることで、高い化学選択性を有する分子変換法を実現するとともに、それらをペプチド鎖連結に適用する際に必須のβ-アミノ-α-ケト酸の実用的供給法を実現した。加えて、筆者らは構築後のペプチド鎖の化学修飾に利用し得るアミドのN-クロロ化も新たに提案した。これらの研究成果および今後の応用展開により異常アミノ酸を多く含む特殊ペプチドの合成が簡便化されることが期待される。
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