研究課題/領域番号 |
20K15963
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
渕 靖史 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40748795)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 人工核酸 / 複素環 / 擬プリン塩基 / スルホニル / 核酸化学 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子を標的とした核酸医薬は、ヌクレオシド構造を化学修飾した人工核酸を導入することで、生体内で効果的に薬理作用を発揮する。それら人工核酸としてヌクレオシド構造の糖部やリン酸部を修飾した誘導体が適用されているが、塩基部を人工的に化学修飾したものは例が少ない。そこで本研究では核酸医薬への応用も視野に入れ、新たなヌクレオシドモノマーを提供することを目的とした。研究方法としては、プリン塩基であるA (アデニン) やG (グアニン) に擬似した「擬プリン塩基」を有するヌクレオシドを設計・合成し、それらをオリゴ核酸配列中に組み込むことで、機能性・有用性を評価していくことを計画した。
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研究成果の概要 |
核酸構造の塩基部を化学修飾した人工核酸は、核酸医薬材料の候補となり得る。しかしながら、塩基部を修飾した核酸をオリゴ核酸配列に組み込み、その機能を詳細に調べた例は少ない。そこで本研究では、アデニンやグアニンに疑似した擬プリン塩基をもつ新規人工核酸について、機能性を評価した。これらの人工核酸を組み込んだオリゴ核酸は、天然の核酸塩基と同等の二重鎖安定性を有することが示された。また生体中の代謝酵素に対する安定性が高いことも見出し、蛍光発光することも示された。本研究で開発した人工核酸は、天然と同等の機能を保持しつつ、天然にはない機能も付与された新たな核酸材料になることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した擬プリン塩基をもつヌクレオシド誘導体は、天然の核酸塩基の代替になる核酸材料として有用であることが示された。天然のものよりも高い代謝安定性が示されたことから、新しい核酸医薬材料の候補になり得ると考えられる。すなわち、創薬分野における社会的貢献につながることが期待される。また天然にはない機能性(蛍光性)が見出された点においては、核酸高次構造の詳細な解明など基礎研究に利用できることが期待され、学術的知見の進展に貢献できると考えられる。
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