研究課題/領域番号 |
20K15970
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡田 康太郎 富山大学, 薬学部, 客員助教 (70842962)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | NMR / T2緩和時間 / 医薬品 / ナノ粒子 / 凝集 / 沈降 / 懸濁液 / 低磁場NMR / 核磁気共鳴 / ナノ分散液 / 低磁場 / 緩和 / 分散液 / 比表面積 / 非破壊 / 緩和時間 / 二次元マップ / 製剤学 |
研究開始時の研究の概要 |
薬物ナノ分散液は、薬物粒子をナノメートルサイズまで加工した製剤であり、薬物の溶解性・吸収性を著しく向上させるため、次世代の製剤として期待されているが、ナノ粒子の物理化学的な安定性に問題がある。不安定化メカニズムを、分子レベルかつリアルタイムに解析する技術は、いまだ確立されていない。そこで本研究では、時間領域-核磁気共鳴(TD-NMR)法を用いた、「NMR緩和」二次元マップを作成し、ナノ粒子を安定化させる技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本申請研究では、薬物ナノ懸濁液に含まれる薬物粒子の物理化学的な安定性評価に注力し、含まれる薬物粒子の凝集および沈降挙動のモニタリングを試みた。検討では低磁場型の核磁気共鳴(NMR)装置を活用し、薬物ナノ懸濁液に含まれる水のT2緩和時間を測定した。 その結果、保存時において、経時的なT2緩和時間の延長が観測され、薬物粒子の凝集および沈降をモニタリングできることが明らかとなった。本手法は水分子のT2緩和を観測対象とするため、薬物や安定化剤の種類に依存しない、汎用的な凝集および沈降の評価方法であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、固体状態である薬物粒子の物理化学的な安定性を評価する際に、薬物粒子を直接評価せず、媒体である水のT2緩和測定を通じて、薬物粒子の安定性を間接的に評価した点にある。水分子のT2緩和を観測対象とすることで、薬物の種類に依存しない、汎用的な薬物粒子の凝集および沈降の評価方法となる。 また、低磁場型のNMR装置を用いて、薬物ナノ懸濁液の安定性評価におけるT2緩和測定の有用性を示した点に、社会的意義がある。低磁場型のNMR装置は、永久磁石を有するベンチトップ型であるため、医薬品の製造プロセスにおける品質評価への応用が期待できる。
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