研究課題/領域番号 |
20K15971
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 庸太 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (20783179)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | X線結晶構造解析 / 乾眠 / クマムシ / 構造生物化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、乾燥耐性を持つクマムシに固有な酸化ストレス耐性関連タンパク質の構造と機能をつまびらかにし、酸化ストレス耐性の分子基盤に関する知見を得ることである。クマムシの多くは、乾眠とよばれる状態になることで乾燥に耐え、高放射線量環境下でも生存できる。極度の乾燥状態や高放射線量環境下では細胞が活性酸素種による酸化ストレスにさらされるが、クマムシの酸化ストレス耐性の分子基盤は明らかになっていない。本研究では、主として構造生物化学的手法を用いて、乾燥耐性を持つクマムシに固有な抗酸化関連タンパク質の構造と機能を明らかにし、クマムシの驚異的なストレス耐性の秘密の一端をひもとくことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では乾燥耐性を持つ抗酸化活性関連タンパク質候補について構造機能相関解析を目指した。まず、乾燥時に発現量が上昇することが知られているクマムシ由来タンパク質RvLipoについて、X線結晶構造解析をおこなった。また、申請時には予定していなかったが、原核生物において活性酸素の除去に関与しているとされているタンパク質に構造が類似したクマムシ由来のタンパク質についても、X線結晶構造解析をおこなうとともに、分光学的測定や活性測定を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで立体構造的特性が不明であったクマムシ由来のタンパク質の構造を明らかにした。構造が決定されたクマムシタンパク質は、配列相同性からは既知のタンパク質とは異なると目されたが、構造的な類似性からは既知タンパク質と似た機能があると推定され、実際に銅用の生化学的特性を示すことが明らかになった。これはクマムシタンパク質は決して変わり者ではなく、ごく一般的な生物学的枠組みの一部であることを示しており、これらをクマムシの細胞外(例えばヒトなど)で応用するための一歩になったとも考えられる。
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