研究課題/領域番号 |
20K15973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
板倉 祥子 城西大学, 薬学部, 助教 (20787387)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リポソーム / ドラッグデリバリーシステム / 外部刺激 / 温度応答性 / 癌治療 / 非ラメラ液晶形成脂質 / ナノDDS / 刺激応答性 / がん治療 |
研究開始時の研究の概要 |
siRNAに代表される核酸医薬は、創薬困難な標的も遺伝子レベルで制御可能であることから、幅広い疾患に対して応用が期待できる。がん治療においては、リン脂質をベースとするナノ粒子がsiRNAの全身投与型キャリアーとして汎用されているが、血中での滞留性とがん細胞との相互作用の両機能ともに優れた薬物送達システムの設計について未だ十分な解決戦略がない。そこで、細胞と高い相互作用を示す非ラメラ液晶形成脂質に着目し、ラメラ構造のリポソームに組み込むことで全身投与を可能とし、近赤外光、温度応答性機能を組みわせたシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
核酸医薬など新規モダリティに対するがん治療ドラッグデリバリーシステム(DDS)として、生体内安定性と標的組織、細胞内への送達を共に可能とする戦略が重要である。リン脂質を用いたナノ粒子の開発が進められており、体内動態および細胞内動態を精密に制御可能な設計が求められている。本研究では、新規の非ラメラ液晶形成脂質とラメラ形成脂質を組み合わせたナノ粒子を構築した。本ナノ粒子は、温度変化による膜流動性の向上により細胞膜との相互作用を促進し、内封薬物の細胞内への高い送達が認められた。また、外部刺激として980 nmレーザーによる担癌マウスの腫瘍部位の加温により、腫瘍成長抑制効果が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新規非ラメラ液晶形成脂質を組み込んだリポソームにより、腫瘍部位での外部刺激によって非ラメラ液晶形成脂質の高い生体膜との相互作用が発揮され、細胞内への薬物送達を向上することに成功した。全身投与によるナノ粒子製剤の薬物利用率は低いのが現状であるのに対して、外部刺激と組み合わせることで、腫瘍局所での薬物の利用が促進されることが期待される。この成果はsiRNAなど多様な創薬モダリティに対して、細胞内への導入までをコントロールすることでより高効率な癌治療のための薬物デリバリーシステムとして貢献できる。
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