研究課題/領域番号 |
20K15980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
川畑 公平 安田女子大学, 薬学部, 助教 (90712323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光安定化 / 医薬品 / 光分解物 / 光分解反応 / 光分解 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品の中には光暴露により急激な光分解反応を起こすものがあり、薬効の減少を引き起こす恐れがある。また、光分解物が毒性を有することもあり、光分解の抑制方法の開発は安全な医療の提供に不可欠である。本研究では、臨床現場における医薬品の簡便・効率的な光安定化法の開発を目指す。計画している具体的な研究項目は、1)臨床現場で汎用される無包装状態の医薬品の光安定性に関する情報を得ること、2)医薬品の光分解反応を抑制する物質を探索し、簡便・効率的な医薬品の光安定化法を開発すること、3)2)により得られた光安定化法を光に不安定な医薬品製剤に用いて、実際の臨床現場への適用が可能か検証すること、の3つである。
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研究成果の概要 |
臨床現場で使用されている医薬品錠剤を破砕、もしくは懸濁することで光安定性が低下し、主薬含量の減少と光分解物の生成が認められるものがあった。光分解物の構造同定を行い、複数医薬品の新規光分解物の化学構造と光分解経路を明らかにした。さらに、光に対して脆弱なことが知られているナプロキセンをモデル医薬品とし、その光分解を抑制する化合物のスクリーニングを実施した。その結果、抗酸化剤、アミノ酸ならびにポリフェノール等の光安定化作用を明らかにした。以上、複数の医薬品製剤の無包装状態における光安定性および生成する光分解物の化学構造を明らかにし、添加物法により、光分解性医薬品の光安定化を施すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの医薬品が光による影響を受けることが報告されており、光反応性に関する報告のない医薬品の存在も考慮すると、医薬品の光反応性に関する情報を集積するとともに、その反応を抑制することが安全な医療の提供には不可欠であると考えている。さらに、新薬開発時に想定されていない無包装状態の医薬品の光安定性の評価と臨床現場において適用が可能な簡便かつ効率的な光安定化法の開発は、医薬品の品質を担保するために今後とも継続的に取り組むべき課題だと考えている。特に、添加物法にフォーカスした医薬品の光安定化に関する報告はほとんどないため、「光安定化を施せる添加物の探索」は今後発展が期待できるものと考えている。
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