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海馬亜鉛イオンによる情動記憶の強化とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20K15996
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

鈴木 美希  静岡県立大学, 薬学部, 助教 (00740200)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード情動 / 記憶 / 海馬 / 亜鉛イオン / ノルアドレナリン / グルココルチコイド / PTSD / LTP / 情動記憶 / カルシウムイオン
研究開始時の研究の概要

恐怖などの情動体験は記憶され強く残る。記憶形成におけるCaイオンシグナルの重要性は広く認識されている一方で、情動記憶が強化される機構には不明な点が多い。情動記憶の強化には、通常よりもシナプスの肥大が必要とされるため、シナプス肥大部の構成因子でもあるZnイオンが重要であると考えられる。本研究では、青斑核や交感神経系が活性化し分泌されるノルアドレナリンや副腎皮質から分泌されるグルココルチコイドは海馬細胞内外においてZnイオン動態を変化させ、記憶に関与することを示した最新の研究基盤に基づき、これらを介した海馬Znイオンシグナルが情動記憶を強化すること、その強化のメカニズムを明らかにする。

研究成果の概要

本研究では、心的外傷後ストレス障害の治療戦略の構築に繋げるため、情動体験時に分泌されるノルアドレナリンとグルココルチコイドを介したZnイオンの作用に着目し、情動記憶が強化される機構の解明を目指した。
海馬のZnイオンは、記憶の分子機構とされるシナプスの可塑的な変化に対して、シグナル因子であるとともにシナプス肥大の構成因子でもある。そこで、「情動体験時のノルアドレナリンやグルココルチコイドの作用を介した海馬細胞内Znイオン動態が強固な記憶の形成に重要である」という仮説の元、アドレナリンβ受容体活性化条件ではグルココルチコイドの作用により細胞内Znイオンが減少し強固な記憶を形成することを示した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

アルツハイマー型認知症に限らず、PTSDをはじめとする未だに根本的な治療法が存在しない疾患に対して、根本治療法の開発が望まれている。記憶形成に重要であると認識されてきたCaイオンに関する知見に加えて、Znイオンが、ノルアドレナリンやグルココルチコイドと協調し、強固な記憶形成を担うことを示した本研究は、強固な記憶形成に対するさらなる理解深化に繋がり、学術的意義は高い。さらなる検討は必要であるが、PTSDモデルに対して行った本検討は、強固な記憶形成機構の破綻がフラッシュバックやPTSD発症に関与することが考えられ、根本治療に繋がる可能性を秘めている。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2020

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] ストレス負荷時の海馬長期増強と亜鉛イオンの関与2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉慧、鈴木美希、原雄二、武田厚司
    • 学会等名
      第68回日本薬学会東海支部大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ノルアドレナリンおよびグルココルチコイド共存下での海馬亜鉛イオンによるLTPの促進2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉慧、待寺りさ子、鈴木美希、武田厚司、原雄二
    • 学会等名
      日本生理学会第100回記念大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ノルアドレナリンおよびグルココルチコイド共存下での海馬CA1細胞内Zn2+レベルと長期増強2020

    • 著者名/発表者名
      待寺りさ子、鈴木美希、玉野春南、武田厚司
    • 学会等名
      第31回 日本微量元素学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ストレス負荷時のノルアドレナリンとグルココルチコイドの協調作用による海馬CA1シナプスZn2+の動態変化とストレス記憶への影響2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木美希、待寺りさ子、玉野春南、武田厚司
    • 学会等名
      日本薬学会 第141年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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