研究課題/領域番号 |
20K16003
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
犬飼 達也 東京医科大学, 医学部, 助教 (40828787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Aspergillus fumigatus / アスペルギルス症 / ストレス応答 / 真菌 / 糸状菌 / 血清 / デオキシウリジン / アスペルギルス / Aspergillus症 / 宿主内増殖機構 |
研究開始時の研究の概要 |
侵襲性アスペルギルス症は、有効な治療薬を施しても十分な治療効果は得られず、致死率が50%を超える臨床上問題となる感染症である。本疾患に用いられる薬剤は3クラス5種類と選択できる幅が狭い上に、近年、本菌の薬剤耐性株の出現が報告され、さらなる治療薬の制限が余儀なくされる。この問題に一刻も早く対策を講じる必要があり、既存抗真菌薬に依存しない新たな治療法・治療薬の開発が急務である。本研究は、アスペルギルスに起因する難治性呼吸器疾患の新規治療法の開発の基盤となるA. fumigatusの宿主での定着、増殖メカニズムの解明と治療への応用を目的とする。
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研究成果の概要 |
糸状菌Aspergillus fumigatusの宿主成分存在下での増殖機構の解明にむけ、血清由来のデオキシウリジン存在下で働く遺伝子群の同定や機能解析を行った結果、dprA, dprB, dprCといった既存で報告されている本菌のストレス応答因子の発現誘導が確認された。しかし、これらの因子を破壊した株は、デオキシウリジン存在下での増殖には関連しなかった。このように本件研究の成果は、宿主成分存在下環境で適応するためのさらなる抵抗性因子の存在を示唆したものといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究で得られた成果は、宿主で増殖するために重要となる血清成分であるデオキシウリジン存在下での増殖機構の解明に貢献する知見となる。真菌症は、易感染宿主が増加する近年、増加の一途をたどる。一方で、真菌がヒトと同じ真核生物であるが故に、ヒトに対する副作用の低い創薬が困難であり、現状では、選択できる抗真菌薬は乏しい。さらには、既存抗真菌薬の耐性菌が環境中から分離されており、今後もさらに真菌症治療は難渋することが予測される。そのため、本研究は、有効な治療法・薬の開発につながる標的を提案するものである。
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