研究課題/領域番号 |
20K16004
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
田中 亨 神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (50806065)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遺伝子発現制御 / 血管内皮細胞 / エピジェネティクス / 遺伝子発現 / エピジェネティクス修飾 / エピジェネティック修飾 / 転写制御 / ヒストン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
エピジェネティック修飾は多様な細胞で細胞特異的な遺伝子発現を生み出しており、この修飾異常は癌、精神疾患や生活習慣病などの発症に関与する。エピジェネティック修飾を制御する代表的な酵素であるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤は高血圧や心不全など循環器病疾患の治療薬になると注目されているが、その作用メカニズムは不明な点が多い。申請者はHDAC阻害剤が血管内皮細胞において血管新生・血圧調節に関わるApelin受容体(APLNR)の発現を増加させることを見いだした。そこで本研究では、HDACによるAPLNRの発現制御の分子機構を解明し、循環器病疾患の新規治療ストラテジーへ応用を試みる。
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研究成果の概要 |
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は高血圧や心不全など循環器病疾患の治療薬になると注目されている。血管内皮細胞はVEGF・Notch・Apelinシグナルなど多様なシグナル系を介して遺伝子発現を変化させるが、エピジェネティック修飾がどのように変化し、遺伝子発現を制御するかは不明である。HDAC阻害剤によって発現誘導されるApelin受容体(APLNR)の遺伝子発現制御機構の解析を行なった。その結果、HDAC1/2がNotchシグナルの活性化によって発現誘導される転写抑制因子Hey1/Hey2と相互作用することでAPLNR遺伝子発現を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
APLNRはApelinやElabelaなどのリガンドの結合によって活性化され、胎生期においては血管形成や心臓形態形成に寄与することが知られている。また、成獣においては血管修復、血圧や心収縮性の調節を担っており、高血圧症や心不全のモデルマウスにリガンド投与することで改善が見られることから、APLNRが新たな治療標的として注目されている。本研究はAPLNRに着目し、HDACによるエピジェネティック修飾制御機構を解析することで、APLNR発現と疾患との関連性を明らかにする新たな知見をもたらし、HDAC阻害剤が血管関連疾患の新規治療薬となる可能性を示すことが期待される。
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