研究課題/領域番号 |
20K16008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西山 和宏 九州大学, 薬学研究院, 講師 (60810116)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | TRPC3 / NOX2 / タンパク質間相互作用 / TRPC6 / 筋萎縮 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、受容体作動性/脂質作動性カチオンチャネルTRPC3の心臓リモデリングにおける役割に着目し、TRPC3と活性酸素生成酵素 (Nox2)との複合体形成を介した過剰な活性酸素の産生がマウス・ラットの心筋細胞萎縮や間質の線維化を形成する引き金となることを見出してきた。興味深いことに、TRPC3-Nox2複合体形成による筋萎縮は心臓だけにとどまらず、同じ赤筋である骨格筋typeI線維の萎縮にも関与する可能性が新たに示されてきた。そこで本研究では、哺乳動物個体の赤筋萎縮(衰弱)に着目し、その根底にあるTRPC3-Nox2複合体の形成機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、筋萎縮性疾患におけるTRPC3-Nox2複合体の役割を明らかにした。mdxマウスに対するイブジラストの有効性の検証を行った。イブジラスト投与はmdxマウスのヒラメ筋の仮性肥大を減少させたが、野生型マウスの体重や筋重量に影響を与えなかった。イブジラストはmdxマウスの筋萎縮マーカーMuRF1発現量を低下させた。イブジラストはmdxマウスのHanging timeと筋損傷マーカー値を改善した。以上のことから、筋萎縮性疾患においてTRPC3-Nox2複合体が関与する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、mdxマウスにイブジラストを投与することでSMの重量が減少した。また、筋萎縮マーカーであるMuRF1の発現量が減少した。加えて筋損傷の指標であるCK値が低下することが明らかとなった。さらに、筋力の試験であるHanging wire testの成績がイブジラスト投与により改善したことから、イブジラストが筋損傷や筋力の低下を抑制していることが示唆された。本研究の結果からTRPC3チャネルの関与が示唆されている疾患モデルに対する治療効果を検討することで、治療法の確立とともに病態メカニズムの解明につながることが期待される
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