研究課題/領域番号 |
20K16010
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
伊藤 政明 高崎健康福祉大学, 薬学部, 准教授 (30438759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マクロファージ / 機械的進展刺激 / プリン作動性シグナル / MCP-1 / P2Y6受容体 / 機械的刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、国民病ともいえる糖尿病や動脈硬化の発症・進展の根底には、全身の軽度の炎症反応が重要であると認識されるようになってきた。炎症反応の中心的な役割を果たす免疫担当細胞にマクロファージがある。マクロファージは免疫担当細胞として気管支や肺胞、消化管などにも広く分布し、肺の伸展や腸の蠕動運動および外界の浸透圧変化によって機械的な刺激を常に受容しているが、その機能に対する影響は明らかにされていない。 本研究では、機械的刺激を介したマクロファージ機能制御のメカニズムについて検討し、今後益々増加するであろう虚血性脳・心疾患などの炎症を基盤とする疾患の病因解明ならびに新しい予防・治療法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
マクロファージは免疫担当細胞として、炎症を背景とする様々な疾患に関与している。本研究は、マクロファージ機能における進展刺激の影響を解析した。進展刺激負荷は細胞外にアデノシン三リン酸(ATP)などのヌクレオチドを分泌させ、単球走化性促進因子(MCP-1)などのケモカインの産生を促進した。この応答にはヌクレオチド受容体のP2Y6が関与しており、細胞内ではリン酸化酵素ERKの活性化が寄与していることが示唆された。本研究成果から、マクロファージは心臓や肺あるいは腸などで進展刺激を感知すると活性化されてさらに炎症応答を増強し、炎症病態の形成に関与する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、我々の健康維持や疾患に物理的な力による調節が深く関わっていることが示唆されている。本研究では免疫担当細胞の一つであるマクロファージに焦点を当て心臓や肺、腸などの組織で受容する機械的な刺激の影響を検討した。マクロファージは、機械的刺激の負荷に応じて炎症性サイトカインや白血球遊走因子の発現を上昇させ炎症応答を促進する可能性が明らかとなった。本研究成果は、マクロファージがダイナミックな機械的刺激を受容する組織における病態、すなわち動脈硬化や肺や腸の炎症、心筋梗塞などのような病態の理解と新たな治療戦略の提示につながると期待される。
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