研究課題/領域番号 |
20K16012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森田 茜 北里大学, 薬学部, 助教 (00828072)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 血管生物学 / 薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症は、糖尿病三大合併症の一つであり、血管内皮成長因子 (VEGF) の過剰産生により病的な血管新生が誘導され、著しい視覚障害や失明に至る疾患である。現在、治療には抗 VEGF 薬が用いられており劇的な治療効果を示す反面、正常な血管に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、申請者らの観察に基づき、1) 病的網膜血管において特徴的に活性化している細胞増殖・生存に関わる分子群が in vivo においてダイナミックに変化する様子を可視化する方法を確立し、2) それを応用した病的網膜血管新生を選択的に抑制する治療薬を開発するための評価系の構築を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、網膜の新生血管においてVEGF受容体 (VEGFR) の下流シグナル経路の活性化状態を可視化することを目的とした。そして、4日齢のマウス網膜の血管内皮細胞と非血管内皮細胞において、1) VEGFRの下流シグナル分子であるERKのリン酸化が亢進していること、2) MEK阻害薬及びVEGFR阻害薬投与1時間後に血管内皮細胞において認められるリン酸化ERKが消失すること、及び 3) VEGF受容体阻害薬投与6時間後に血管の退縮が生じることを可視化できた。これらの結果から網膜の新生血管においてVEGFR阻害後にERKのリン酸化が血管内皮細胞死に先行して抑制されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、新生仔マウス網膜の新生血管において ERK が活性化している様子を in vivo において可視化し、各種阻害薬によりそのダイナミクスを解析することが可能となった。網膜の新生血管における ERK のリン酸化を可視化することは VEGF/VEGFR シグナル経路に作用する網膜血管新生抑制薬の効率的なスクリーニングに有用である。
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