研究課題/領域番号 |
20K16013
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
浜口 正悟 東邦大学, 薬学部, 講師 (80747767)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 酸化ストレス / 拡張機能障害 / SERCA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、心不全の一種である拡張機能障害と活性酸素種(ROS)による酸化ストレスとの関連に注目する。これまでに解明できた拡張機能障害の原因の一つである筋小胞体Ca2+ポンプ(SERCA)の機能障害に基づくCa2+handling異常に、酸化ストレスという視点を加え、拡張機能障害の分子機序、およびその修飾因子を解明する。さらに病態モデル動物を用いた治療薬候補化合物の評価を行うことで、糖尿病などの病態時に生じる拡張機能障害の発生機序の解明と新たな治療戦略開発につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、心不全の一種である拡張機能障害と酸化ストレスとの関連性に注目した。抗酸化活性を持つとされる天然物のうちellagic acid、gingerol、quercetinがマウス摘出心室筋組織標本において弛緩時間短縮作用を示すことが明らかとなった。これらの弛緩時間短縮作用は拡張機能障害を示す糖尿病モデルマウスにおいても観察された。この作用機序として、筋小胞体カルシウムポンプによるカルシウム取り込みを促進し、細胞内カルシウム動態を是正することで、拡張機能障害に奏効する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、心不全は心ポンプ機能のうち駆出機能に焦点が当てられ、収縮機能の低下が病態の主体であると考えられてきた。しかし、心収縮力機能低下を伴わない拡張機能障害に基づく心不全の患者数は近年増加傾向にあり、糖尿病、高血圧、加齢などが増悪因子となる。このタイプの心不全の治療では、高血圧の是正やうっ血軽減を目的として利尿薬や血管拡張薬が用いられるが、病態の根底にある拡張機能の改善に焦点をあてた治療薬は存在しない。したがって、心筋の拡張メカニズムの詳細な解明と拡張機能をターゲットとした薬物の創出は、拡張機能障害の新たな治療戦略の開発に繋がると考えられる。
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