研究課題/領域番号 |
20K16019
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
縄田 陽子 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (00435140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自閉症モデル動物 / カンナビノイドCB1受容体 / 発達障害 / 行動薬理学 / 自閉スペクトラム症 / エンドカンナビノイド |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)は、我が国での有病率が1%を超える神経発達症である。現在のASDの薬物治療の問題点は、根本的な治療法が確立されておらず対症療法に限られる点にある。本研究では、エンドカンナビノイドに着目し、カンナビノイドシステムの低下とASDとの関連性をカンナビノイドCB1受容体遺伝子欠損マウスを用いて検証し、エンドカンナビノイドの観点からASDの根本治療を目指す。一方、「ひきこもり」は、現代の社会問題の1つであるが、このうち半数近くがASDを罹患していることが報告されており社会的に注目を集めている。そこで、ASDの治療に留まらず、引きこもり問題解決への道も探る。
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研究実績の概要 |
本研究では、脳内大麻様物質(エンドカンナビノイド)に着目し、カンナビノイドシステムの低下と自閉スペクトラム症(ASD)との関連性について、カンナビノイドCB1受容体遺伝子欠損(CB1KO)マウスを用いて検証することを目的としている。自閉スペクトラム症(ASD)は、我が国における有病率が1%を超える神経発達症で、継続的な治療を要する症例では薬物治療が行われる。現在のASDに対する薬物治療は、精神症状への対症療法に限られており、根本的な治療法は確立されておらず、ASDの病態解明と新規治療薬の創出が望まれている。 研究計画全体の検討項目は、CB1KOマウスにおける①ASD様行動の発現の有無、②血中および脳内におけるASD関連因子の発現変容の有無、および③ASDの新規治療薬の探索の3点である。今年度の研究実績は以下の通りである。 ①の検討では、CB1KOマウスにおけるASD様症状の発現には性差が認められることが明らかになった。また、②の検討では、ASDのバイオマーカーとしての可能性が示唆されている複数の因子に着目して血中変容を調べたところ、CB1KOマウスは、野生型マウスと比較してこれらの血清値に異常を示すことが明らかになった。さらに、③の検討では、これらのバイオマーカ―に関連するリガンドがCB1KOマウスのASD様行動異常を改善することも明らかになった。 最終年度は、血中で変容が認められた因子の脳内変容を探るとともに、臨床においてASDの発症に深くかかわる環境要因にも着目し検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に述べたとおり、当初計画した内容を該当年度におおむね実施出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続きCB1KOマウスにおけるASD様行動異常を改善するリガンドの探索を行うとともに、血中において異常値を示した因子の脳内変容を探る。また、臨床においてASDの発症に深くかかわる環境要因にも着目し検討を進める予定である。さらに、これまでに得られた成果は、学会発表および学術論文投稿を通して発表する。
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