研究課題/領域番号 |
20K16021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
津村 遼 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター・新薬開発分野, 研究員 (90785586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 抗体抗がん剤複合体 / 抗体改変技術 / 結合カイネティクス / 性状評価 / 抗体 / 結合速度定数 / 組織因子 / 性状解析 |
研究開始時の研究の概要 |
抗体抗がん剤複合体(ADC; antibody-drug conjugate)は有望ながん治療薬として認知されている。しかし、ADCの構成要素である抗体の最適化に関する報告は殆どない。本研究では抗体の結合速度定数kaに着目する。抗体を改変し、より高いkaを持つ改変抗体を取得する。野生型抗体と改変型抗体を用いてADCを作製し、in vitro及びin vivoで性状比較を行う事で、ADC開発においてkaを最適化する意義を明確化する。同検討においてka最適化の意義が高いと判断されれば、今後のADC開発における抗体クローンの選択プロセスや、既存のADCの薬効増強に寄与する可能性が高いと考える。
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研究成果の概要 |
本研究では抗体のアミノ酸改変によって、結合速度定数kaを上昇させることで、抗体抗がん剤複合体(antibody-drug conjugates, ADCs)の機能向上を目指した。組織因子に対するモノクローナル抗体について、抗体のアミノ酸改変を行ったところ、20倍以上kaが上昇した。改変型抗体は野生型抗体と比較して、TF陽性がん細胞PSN-1への細胞内在化効率が上昇し、改変型ADCは野生型ADCよりもPSN-1に対する殺細胞効果が高かった。一方、in vivoにおける腫瘍集積性や抗腫瘍効果では改変による優位性が示されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年複数の抗体抗がん剤複合体(antibody-drug conjugate, ADC)が承認され、ADCが有望ながん治療戦略である事が認知されている。今後の更なる追加検討が必須であるが、本研究において、抗体改変によりADCの薬効増強の可能性が示唆され、また結合速度定数がADC開発の抗体クローン選択に重要な指標になりえることが示唆された。これらの検討は、今後の高機能なADC医薬品創出に寄与すると考える。
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