研究課題/領域番号 |
20K16022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 |
研究代表者 |
笹原 智也 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(上席・主任研究員クラス) (30735345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管内皮 / 血管機能障害 / アミロイドβ / アミロスフェロイド / β-セクレターゼ / δ-セクレターゼ / 脳血管アミロイド血症 / アルツハイマー病 / アミロイドβタンパク / Neurovascular unit |
研究開始時の研究の概要 |
アミロイドβ蛋白質は脳微小血管の機能障害を介してアルツハイマー病(Alzheimer's disease,AD)を増悪する。アミロイドβ蛋白質による血管機能障害は数多く報告されているが、惹起された血管機能障害によるAD増悪の作用機序は未だ明らかにされていない。 血管内皮細胞の障害がAD増悪に関与することから、本研究では脳微小血管内皮細胞と神経細胞を共培養系した評価系を用いて脳微小血管の内皮障害がどの様な作用機序でADの増悪をもたらすかを解明する。さらには解明した作用機序の阻害がADに対し有効な治療効果を示すかを検証する。これら一連の研究を通して血管機能障害によるADの増悪機序を解明する。
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研究成果の概要 |
脳アミロイド血管症はアルツハイマー病の増悪因子だが、増悪の詳細な分子機序は未だ解明されていない。本研究では分子機序の解明のため、血管内皮細胞と周皮細胞、脳初代培養を用いた脳神経血管の培養モデルを新規に構築した。分子機序として、血管毒性のあるアミロイドβ凝集体アミロスフェロイドをこの培養モデルの血管細胞に処置することで血管内皮細胞からのアンジオテンシンII遊離とそれに続く神経細胞AT2受容体-B2受容体-BACE mRNA増加を介してBACEタンパク量が増加することを見出した。またアミロスフェロイドが周皮細胞にも作用し、神経細胞AEPを活性化することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではAβ遊離を促進する2つの酵素βセクレターゼ(BACE)とδセクレターゼ(AEP)が血管障害により増悪することを解明した。脳実質でのアミロイドβ沈着はアルツハイマー病発症の十数年前から起きているが、血管障害があるとAβ沈着量が増加することが知られており、今回の研究成果はこの現象の分子機序の解明とそれに基づく新規アルツハイマー病治療薬の開発につながると期待される。
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