研究課題/領域番号 |
20K16023
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉村 彩 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (60866416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞外膜小胞 / 休眠遺伝子 / 二次代謝産物 / メンブレンベシクル / 休眠生合成遺伝子 / トランスポゾン |
研究開始時の研究の概要 |
微生物や植物が作り出す化合物(天然物)は多様な化学構造を持つため医薬品シードとして有用である。最近、ユニークな構造の天然物の取得数は減少しており、多様な構造を持つ天然物群の発見は医薬品開発の重要課題である。近年、微生物のゲノム中には通常の研究室培養条件では発現しない天然物の生合成遺伝子(休眠遺伝子)が多く存在することが明らかになった。休眠遺伝子を覚醒させれば天然物の構造多様性の拡張が期待できる。しかし現在、覚醒方法はほとんどの休眠遺伝子について不明である。本研究ではトランスポゾン変異とメンブレンベシクルを活用して休眠遺伝子を覚醒させ、新たな天然物の取得と覚醒機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
細菌が生産する天然有機化合物(天然物)は細菌ゲノムにコードされた生合成遺伝子クラスターを設計図として生合成される。細菌が保有する生合成遺伝子のうち80%以上は通常の研究室培養条件では発現しない休眠遺伝子に分類され、休眠遺伝子由来の天然物は未開拓な有用資源として注目されている。本研究では細菌由来の細胞外膜小胞(MVs)によって生産誘導される天然物を複数見出し、それら天然物がMVsと共にメディエーターとして関与する異種菌間相互作用が存在することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではMVsで細菌を刺激することで複数の未開拓天然物を発見した。さらに、MVsと天然物を介した異種細菌間コミュニケーションが存在することを見出し、そのメカニズムを明らかにした。我々が発見した天然物の中にはユニークな生物活性を有する新規天然物が含まれており、それらは創薬シード化合物として期待できる。さらに、MVsと化合物を介して細菌が相互作用することは我々が初めて見出した現象であり、本現象は腸内細菌叢でも見られると予想されることから、MVsと化合物を用いて疾患に関与する細菌を変調させる新たな治療戦略にも資すると期待している。
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