研究課題/領域番号 |
20K16026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
人羅 勇気 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 助教 (00755308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 天然物 / ユビキチンープロテアソームシステム / 真菌 / タンパク質分解 / プロテアソーム阻害薬 / スクリーニング / 培養細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)は、生物に広く保存されているタンパク質分解制御機構であり、細胞内タンパク質の恒常性を維持している。がん細胞では、UPSが亢進状態にあり、UPS阻害剤は副作用の少ない次世代型抗がん剤として注目されている。天然物は生物活性の多様性から創薬シーズの探索源として利用されており、新規抗がん剤開発に向けてUPSを阻害する天然物の発見が求められている。 本研究では、UPS阻害物質を網羅的かつ効率的に探索できる独自の評価系を用いた天然物スクリーニングにより、UPS阻害活性を有する天然物を探索し、その作用メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
ユビキチン-プロテアソームシステムは、細胞内の不要なタンパク質を選択的に分解するタンパク質分解制御機構であり、細胞の恒常性を維持するうえで重要な役割を担っている。がん細胞においてはユビキチン-プロテアソームシステムが阻害されると細胞死が誘導されるので、その阻害剤は抗がん剤シーズとしての利用が期待されている。 本研究では、ユビキチン-プロテアソームシステムによって分解されるタンパク質とルシフェラーゼの融合タンパク質を発現するレポーター遺伝子を発現しているHeLa細胞を用いて、ユビキチン-プロテアソームシステムを阻害する天然物を探索した。 真菌や放線菌をはじめとした微生物の培養エキスと海洋無脊椎動物のエキスの約15000サンプルを上記のレポーターアッセイによりスクリーニングし、ユビキチン-プロテアソームシステムによる細胞内のタンパク質分解を阻害するエキスを選抜した。タイの植物から単離したRemotididymella属の真菌のエキスがタンパク質分解阻害作用を示したので、活性成分を単離し化学構造を決定した。 単離した化合物について、ユビキチン-プロテアソームシステムのどの段階を阻害しているか確認したところ、細胞内にユビキチン化したタンパク質が蓄積していたことから、プロテアソームによるタンパク質分解を阻害する可能性が示唆された。そこで、20Sプロテアソームに対する酵素阻害試験を実施したところ、酵素活性を阻害することが明らかとなった。 本研究では、タンパク質分解活性を検出するレポーターアッセイを用いて、天然物エキスをスクリーニングし、プロテアソーム阻害作用を示す新規天然物を見出すことに成功した。
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