研究課題/領域番号 |
20K16031
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
野中 健一 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (60421369)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 菌類 / 二次代謝 / 天然化合物 / 糸状菌 / 生物活性 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
糸状菌は微生物創薬において最も重要な生物活性物質の探索源である。しかし、比較的容易にゲノム情報を入手出来る様になった現在では、糸状菌が保有している二次代謝産物生合成遺伝子の1~2割程しか発現しておらず、多くの生合成遺伝子は休眠状態のままであることが明らかとなってきた。 本申請ではHDAC阻害剤に代わる低分子化合物として期待されるキナ酸を利用した糸状菌の化合物生産培養方法を確立する事を計画した。申請者は前申請課題で確立したキナ酸添加培養法において、有効性を示す糸状菌の範囲を明らかとし、生物活性を指標とした大規模スクリーニングで新規医薬品リード化合物の取得を目標とする。
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研究成果の概要 |
土壌糸状菌にキナ酸添加培養時に二次代謝に変化をもたらすことを見出したため、大規模スクリーニングに応用するために汎用性の高い培養条件の検討を行った。保有糸状菌600株を用いて培養液の調製を行い、機器分析で化合物生産性を調査した。これを3回繰り返し、化合物生産性が安定していた6株を選出後、培養条件の検討を行った。キナ酸を0.001~10%まで10段階に調製して培養を行い、これら培養液を用いて6種の病原菌に対し抗菌試験を行った結果、キナ酸濃度0.05%で最も強い活性を示した。 以上より、土壌糸状菌を液体培養時に前述のキナ酸濃度で大規模スクリーニングを実施した際に最も効果を発揮することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未利用遺伝子を発言させるために、直接遺伝子を操作する遺伝子工学的手法、異種糸状菌の相互作用を利用した共培養法、菌類の光受容体に作用する波長領域を用いた光照射培養法やケミカルエピジェネティクスなど、世界中で様々な方法が検討されてきた。しかし、いずれの方法でも大量の糸状菌サンプルを扱う大規模スクリーニングに利用することが出来ない問題点がある。そこで、申請者等が考案したキナ酸添加培養法で新規化合物を取得するという試みは世界的に見ても実施例がなく、汎用性の面からも生物活性を指標とした大規模スクリーニングに利用できることが期待出来る。
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