研究課題/領域番号 |
20K16033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
松尾 侑希子 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (70434016)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | IDO-1 / オウゴンオニユリ / オオツルボ / ステロイド配糖体 / 併用効果 / 細胞毒性 / トリテルペン配糖体 / 天然物 / 抗腫瘍活性 / 構造決定 |
研究開始時の研究の概要 |
インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ (IDO)-1 は、T 細胞の増殖に必要なトリプトファンを代謝する酵素である。IDO-1 はがん細胞の局所で活性が亢進しトリプトファンを枯渇させ、がんの免疫逃避機構の一因になっていることが明らかとなった。IDO-1 は抗がん剤の新たな分子標的として注目されているが、臨床試験において有効な結果は得られていない。 本研究では、天然物および漢方薬のIDO-1 阻害活性を評価し、難治がん細胞の細胞死を誘導する物質を探索する。さらに、天然物由来のIDO-1 阻害物質と既存の抗がん剤との併用効果を検討し、臨床応用を志向した難治がん治療薬のシーズ探索を実施する。
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研究成果の概要 |
天然物資源からIDO-1阻害活性および腫瘍細胞毒性を示す化合物の探索を目的として、植物エキスおよび化合物ライブラリーの活性評価とともに植物エキスの成分分離と単離化合物の構造決定を行った。その結果、薬用植物オニユリの変種で長崎県対馬にのみ分布するオウゴンオニユリから2種、園芸品種のオオツルボから1種、合計3種の活性化合物を見出した。一方、有毒植物ヨウシュヤマゴボウから抗がん剤の毒性を増強させる併用効果をもつ化合物類を見出したが、これらの化合物はIDO-1阻害活性を示さなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IDO-1 酵素は、がんの免疫逃避機構に関与していることから、活性阻害によるがん細胞の増殖抑制効果が期待されている。本研究は、難治がんの克服を目的として天然物の系統的な IDO-1 阻害物質の探索を行う初めての例である。成果として、ユリ科植物から3種の新たなIDO-1阻害活性物質が見出され、有毒植物からはIDO-1阻害活性は示さなかったものの、併用により抗がん剤の活性を強める成分が新たに見出された。これらの成果はメカニズム解明の端緒になるとともに、抗がん剤の治療効果の向上、副作用の軽減、医療費の削減などへの展開が期待できる。植物資源の利活用に繋がる点でも重要な意義がある。
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